『GEOTAIL/あけぼの』衛星による地球磁気圏の研究


 地球の磁気圏の構造やその中でおこる様々な現象を研究する目的で1989年に国産の『あけぼの』、また、その3年後の1992年に日米共同による『GEOTAIL』という名前の科学衛星が打ち上げられました。地球の磁気圏の夜側は彗星の尾の様に太陽風によって長く引きのばされています。太陽風の中には数 nT程度の大きさの磁場が存在していますが、これが南向きの成分を持った時に、磁気圏は太陽風から盛んにエネルギーを取り込み、尾部の領域に、磁束を強めるという形でエネルギーを蓄積します。ところが、このエネルギーを過度に蓄えた状態は不安定で、突如として、それまで蓄えてきた磁場エネルギーを粒子の運動エネルギーに変換するという機構が作用します。この現象は磁気圏の大きな変化を伴い、サブストーム(磁気圏嵐)と呼ばれています。サブストームが起こると地球の極地方では、明るく輝きながら乱舞する壮麗なオーロラをが発生します。また、夜側の尾の部分では加速されたエネルギーの高い粒子が構成するプラズマの塊(プラズモイド)が地球と反対の方向に高速度で走り惑星間空間へ飛び去ってゆきます。このエネルギー変換の過程は太陽面で発生するフレアーと同様の物理機構が関与していると考えられています。私達のグループでは、この物理機構の詳細を解明するために、衛星観測によって得られたデータの解析を行なっていますが、同時に、得られた結果に解釈を与えるべく、計算機実験などを用いた理論的な研究を行っています。


われわれの研究の最新結果

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