熱血ボーダー

(2003/01/11) 執筆

アメリカ人は自分の主張をはっきりと言う、とよくいわれる。
たぶんそれはそうなんだろう。うるさいぐらいにキーキー叫んで
初めて要求が通る・・・・・アメリカというのはそういう国らしい。
そして彼らは「叫ぶ」だけにとどまらない・・・・・彼らはさらに


         掲げる!


何を? ボード(手作り)を、である。
連邦ビルや移民帰化局の前を通り過ぎてみればよい。

  

           とか
   

とかいうボードを掲げた人々を毎日のように見かけることであろう。
上は説明不要だと思う。交通標識をまねた「NO WAR」のアピールである。
下は「ブッシュ(Bush)」「くそ(Shit)」をくっつけたものである。
あるいは卑系ワード「Bullshit ! (ばかな!んなアホな!)」の変形と考えてもよい。
(どちらも、「ブシット!」みたいな発音になる。)


俺の乗ってるバスが連邦ビルの前を通るもんで、バス停に集まっては
(といっても2、3人)、バスの乗客や自動車にアピールしてる人々をよく見かける。
この前など、ボードを掲げたままバスに乗り込んできて無言で一往復した後、
次のバス停で降りるという奴もいた。彼らにとって「掲げる」は「叫ぶ」と同じぐらい、
あるいはそれ以上の意味と力を持つのかもしれない。


そんなボーダーたちのメッカ、それは実はプロレス会場である。
観客たちは実にユニークなボードを作ってくる、あるいは開場前に
その辺でシコシコ作っている(「俺様、プロレスを観に行く」の巻)。
テレビでWWEを見てみれば、如何に彼らがボード好きかがよくわかる。






カメラが自分たちの方を向いたと知るや否や、彼らは一斉にボードを掲げる。
見ているとなかなか壮観である。ボードの種類も多岐にわたる。

 ・ お気に入りレスラーの名前を書いたもの系 (ROCK)
 ・ 決まり文句系 (You Suck、Hell Yeah)
 ・ 自分の居場所を知らせる系 (TOM↓)
 ・ 詰問系 (Ric・・・Why?) [筆者注:リック・フレアーがRVDを裏切ったのである]
 ・ マンガ系 [筆者注:相撲レスラーRIKISHIの必殺技「ヒップ・プレス」を表している]

などなど、ちょっと書ききれない。
何パターンもボードを用意してきてる人もいるだろうし、テレビカメラに映ろうと
気の利いた・パンチのあるボードを作ってきてる人もいるだろう。
とにかく彼らは基本的に掲げるのが大好きである。
このように、ボードを掲げることによって、
観客たちも視聴者たちもプロレスをより楽しんでいるのである。
こんな楽しいプロレスを見ない手はない!


P.S.
ベースボールでは何故か「ボード」をあまり見かけなった気がする。
それどころか、掲げていた人が係員から注意されてた記憶も・・・
そういえば、NYヤンキースに松井が来る。
NYメッツにはノリ・・・と思っていたら新庄が来るそうだ。
今から留学するならニューヨークがお勧めだ! (>>後輩)
ちなみに俺は、
LA Dodgers vs. AZ D'Backs 戦で石井を
LA Dodgers vs. SF Giants 戦で新庄を
Anaheim Angeles vs. Seattle Mariners 戦でイチローを
それぞれ見た。(イチローにはブーイングがおきる)


END