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ライセンス数など、ライセンス管理に関する情報を記述、設定したファイルを dpkeylist といいます。dpkeylist はソフトウェア許諾リストです。dpkeylist の取り扱いについては、インストレーションガイドでご確認の上、正しい設定を行うようにしてください。 |
jserver によるかな漢字変換時に、ライセンスサーバに対してライセンスの要求が行われます。
ライセンスサーバは、ライセンス管理ファイル(ソフトウェア許諾リスト、アクセス制御リストなど)で設定されている内容にしたがって、ライセンスの供与を行います。
下図を参照してください。
ライセンス数 2 が設定されている環境下では下図のようになります。
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本章では、このライセンス管理のしくみについて、ライセンス管理ファイルの内容とライセンス管理コマンドの使用方法を中心に説明しています。
Wnn6 for Linux/BSD では、ライセンスサーバからライセンスを取得できなかった(供与されなかった)クライアントで、かな漢字変換を行うことはできません。
1.はライセンスサーバマシン側で必ず設定します。
2.はライセンスサーバマシン側で必要に応じて設定します。
3.はクライアントマシン側で必要に応じて設定します。
ライセンスサーバ dpkeyserv は、弊社における他の製品(dp/NOTE for Linux/BSD など)のライセンス管理も行います。したがって、上記のライセンス管理ファイルは Wnn6 に限らず、dpkeyserv からライセンスを取得するようになっている弊社製のアプリケーションの動作で共通に適用されるものです。 |
以下で、上記のそれぞれのファイルについて説明します。
ライセンスサーバが一度に供与できるライセンス数を定義します。
ライセンスサーバマシン上で必ず設定しておきます。
dpkeylist の設定方法として、格納場所、記述内容について以下に説明します。
1./usr/jp/lib/dp/dpkeylist
2./usr/local/lib/dp/dpkeylist
ライセンスサーバ dpkeyserv の起動時のオプション -f で dpkeylist ファイルを上記の格納場所に関わらず指定することができます。このときのファイル指定が最優先されます。 |
アプリケーション名:ライセンス数:パスワード |
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出荷時における設定内容:
WNN2:2:F2D5C0FA708CD65D49E2202C2B |
ライセンスサーバと接続できるクライアントホストを制限します。
必要に応じてライセンスサーバマシン上に設定します。
dpkeyallow の設定方法として、格納場所、記述内容について以下に説明します。
1./usr/jp/lib/dp/dpkeyallow
2./usr/local/lib/dp/dpkeyallow
ライセンスサーバ dpkeyserv の起動時のオプション -a で dpkeyallow ファイルを上記の格納場所に関わらず指定することができます。このときのファイル指定が最優先されます。 |
クライアントホスト名 クライアントホスト名 クライアントホスト名 ・ ・ ・ |
hostnameA hostnameB hostnameC |
任意のホストのクライアントから使用できるライセンスサーバを登録します。
必要に応じてクライアントマシン上に設定します。(注)
dpkeyservlist に複数のライセンスサーバホストマシンを設定することにより、1 台のサーバホストマシンに障害が発生してダウンすることになっても、自動的に別のサーバホストマシンに接続して、クライアント側でのアプリケーションの使用を中断させません。
また、クライアント数やマシンの台数が多い場合などには、ネットワーク資源を有効に活用して、負荷分散・危険分散させる手段となります。
dpkeyservlist の設定方法として、格納場所、記述内容について以下で説明します。
Wnn6 for Linux/BSD 出荷時では、dpkeyservlist はインストール対象外となっています。このファイルを使用される場合には、以下の説明をよくお読みの上、新規に作成してください。 |
1./usr/jp/lib/dp/dpkeyservlist
2./usr/local/lib/dp/dpkeyservlist
hostname1 hostname2 |
ライセンスサーバの起動、制御コマンドには以下の 2 つがあります。
上記のそれぞれについて説明します。
前述の「2.1 dpkeylist」「2.2 dpkeyallow」(dpkeyallow は設定されていれば)の設定ファイルの内容にしたがって、ライセンスサーバを起動します。
1 つのホストマシン上では、ライセンスサーバは同時に 1 個しか起動させることができません。
また、dpkeylistファイルの記述に誤りがある場合、ライセンスサーバは起動しません。
ライセンスサーバは、SIGUP, SIGTERM, SIGKILL, SIGINT, SIGQUIT のシグナルを受けるまで、その動作を続行します。
ライセンスサーバdpkeyservの起動方法は以下の通りです。
dpkeyserv [-a dpkeyallow_file] [-f dpkeylist_file] [-l <logfile>] [-L <logfile>] |
[-a dpkeyallow_file] |
ライセンスサーバのアクセス制御リストのファイルパス名を指定します。 このオプション指定がなければ、前述の「2.2 dpkeyallow」にあるファイルの格納場所を検索します。
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[-f dpkeylist_file] |
ライセンスサーバのソフトウェア許諾リストのファイルパス名を指定します。 このオプション指定がなければ、「2.1 dpkeylist」にあるファイルの格納場所を検索します。
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[-l <logfile>] |
ライセンスサーバにおける通信のログをlogfileに保存します。 ログファイル名 logfile の引数の省略時には以下の優先順位で対応します。
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[-L <logfile>] |
-l オプションと同じくライセンスサーバにおける通信のログを logfile に保存します。ただし、-L オプションでは、-l オプションと比べて通信パケットのダンプを余分に保存します。 ログファイル名省略時の対応は -l オプションでのそれと同じです。 |
dpkeystat は、ライセンスサーバ dpkeyserv の使用(消費)状況の表示と一旦取得されたライセンスの開放、dpkeyserv の終了などを行います。
ライセンスの開放と dpkeyserv の終了は root の権限で行います。(注)
ライセンスの開放は、使用中のライセンスを開放することなくクライアントが異常終了した場合などに、強制的にライセンスを開放するために行います。 |
dpkeystat [-D server_hostname] [-h client_hostname] [-a application] [-u username] [-i interval] [<-y> license_number] [-k <server_hostname>] |
[-D server_hostname] |
dpkeystatコマンドの実行対象となるライセンスサーバマシンを指定します。 -D オプションを使用しない場合は、「2.3 dpkeyservlist」にある dpkeyservlist ファイルに登録されているホスト名に対応します。 dpkeyservlist ファイルが存在しない場合は、localhost に対応します。
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[-h client_hostname] |
client_hostname で指定されたクライアントホストについてのみライセンスの使用状況の表示や開放を行います。
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[-a application] |
application で指定されたアプリケーションについてのみ、ライセンスの使用状況の表示や開放を行います。
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[-u username] |
username で指定されたユーザについてのみ、ライセンスの使用状況の表示や開放を行います。
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[-i interval] |
dpkeystat 実行による表示を interval で指定された間隔で繰り返します。interval は秒単位で指定します。 この指定を行うと、SIGINTなどで強制終了させない限り、永久に繰り返されることになります。
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[<-y> license_number] |
ライセンスを開放します。スーパーユーザの権限で行ってください。 license_numberには、dpkeystat の表示で LNO の欄にあるライセンス番号を指定します。 通常、このオプションの使用時には、実行(kill)の確認を行いますが、ライセンス番号の前に -y を指定すると、この確認が行われなくなり、すぐにライセンスが開放されることになります。
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[-k <server_hostname>] |
ライセンスサーバ dpkeyserv を終了(kill)します。 スーパーユーザの権限で行ってください。指定時には、必ず実行の確認が行われます。
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