Wnn6 の動作環境

Update: 98.11.1

1.1 uumkey

形式:

/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/uumkey

各ユーザが uumkey ファイルを設定することにより、ユーザ独自のキー操作が可能になります。

**（参）**
uumkey ファイルで記述するキーコードの変換テーブルなどを定義したファイルがあります。詳しくは、後述の「1.2 キーコード定義」を参照してください。

書式
機能エントリ　　キーコード　［キーコード…］機能エントリ　　キーコード　［キーコード…］機能エントリ　　キーコード　［キーコード…］　　・　　　　　　　・　　・　　　　　　　・　　・　　　　　　　・

**（注）**
・コードとして処理できる数値は、0 以上 340 未満の整数です。これには、キーボードで発生できるものと、そうでないものがあります。発生できないもの（128 以上の整数など）を使用する場合には、キーコード変換ファイル cvt_key_tbl またはオートマトンでそのコードを発生させる必要があります。・同じエントリについて 2 度記述すると、後に記述したものが設定されます。1 つのエントリに複数のキーを定義する場合は、必ず、1 度に設定してください。また、同一のかな漢字変換のモードで作動する複数の機能を 1 つのキーにバインドすることはできません。

機能エントリ一覧: uumkey ファイルには、機能エントリの他に次のような機能外エントリがあります。

　機能外エントリ名　　　　　　　機能 / 設定方法

include 指定された uumkey ファイルに記述してあるキーバインド設定を行います。
include 先で、重複して機能エントリの定義をした場合は後の方の定義を採用します。
初期設定の uumkey ファイルを、1 部だけ変更して使用する場合には、初期設定の uumkey ファイルを include して、変更部分のみを記述します。

include uumkey ファイル名

　下線部分には、ファイル名が入ります。

unset 指定されたエントリに対して、既出の設定を取り消します。

unset エントリ名

　下線部分には、エントリ名が入ります。

各機能エントリには、その機能が動作可能であるモードが決められています。モードには、モード番号に対応して、次のようなものがあります。次ページ以降の各機能エントリ一覧で、モードのご確認にご利用ください。

モード番号かな漢字変換操作の状態　

　　0 変換後の変換結果を修正しているモード

　　1 変換前の文字を入力しているモード

　　2 変換後に文節の長さを伸縮するモード

　　3 バッファが空の状態のモード

　　4 候補選択のモード
（次候補選択、辞書操作・登録選択時の品詞、辞書選択など）

**（参）**
この章では、Wnn6 独自の機能について、uumkey ファイルで記述する機能エントリ名を使って解説しています。　Wnn6 では、環境設定ユーティリティのユーザカスタマイズのメニューにキーバインドを動的に変更できるものがあって、他の日本語入力 FEP における処理機能を実現させることができます。　Wnn6 で実現可能な機能を各 FEP ごとにまとめた機能エントリ一覧が、付録の「他の日本語入力 FEP 対応のキーバインド」にあります。

機能エントリ名の最後に "_e" を付けたものは、"_e" を付けていない同じ名称のエントリと同じ機能が、バッファが空の状態であっても動作することを示します。モードについては、前出のモード番号で記述しています。

下線部分にはキーコード（複数可）が入ります。
　機能エントリ名 / モード　　　　　機　　能　　　　　

henkan_on keycodes 変換モードの ON/OFF を変更します。（注 1）
全モードで適用されます。

0 1 2 3 4

quote_keyin keycodes 次の入力文字を quote します。
全モードで適用されます。
kenkan_on でバインドされたキーコードを入力するための非常手段として用意しています。

0 1 2 3 4

send_string keycodes 変換行内の文字列に、バインドされているキーコードを付け加えた文字列をアプリケーションへ送ります。

0 1 2

kakutei keycodes 変換行内の文字列をアプリケーションへ送ります。

0 1 2

forward_char keycodes 1 文字右へカーソル。移動します。

1

backward_char keycodes 1 文字左へカーソル。移動します。（注 2）

1

下線部分にはキーコード（複数可）が入ります。
機能エントリ名 / モード	機　　能
henkan_on keycodes	変換モードの ON/OFF を変更します。（注 1）全モードで適用されます。
0 1 2 3 4
quote_keyin keycodes	次の入力文字を quote します。全モードで適用されます。 kenkan_on でバインドされたキーコードを入力するための非常手段として用意しています。
0 1 2 3 4
send_string keycodes	変換行内の文字列に、バインドされているキーコードを付け加えた文字列をアプリケーションへ送ります。
0 1 2
kakutei keycodes	変換行内の文字列をアプリケーションへ送ります。
0 1 2
forward_char keycodes	1 文字右へカーソル。移動します。
1
backward_char keycodes	1 文字左へカーソル。移動します。（注 2）
1

**（注）**
1 変換モード OFF では、ローマ字かな変換オートマトンも同時に切り離されます。henkan_on のエントリに設定するコードには、キーコード変換の出力コードを指定できません。 2 backward_char のエントリで、モードが 1 である場合には、注意事項があります。一度変換して途中から解除している場合は、解除している部分の一番左にカーソルがある状態で backward_char を行うと、連文節変換を行ってから 1 つ左の文節へ移動します。

下線部分にはキーコード（複数可）が入ります。
　機能エントリ名 / モード　　　　　機　　能　　　　　

goto_top_of_line keycodes 行の先頭の文字へカーソル移動します。

1

goto_end_of_line keycodes 行の最後の文字へカーソル移動します。

1

delete_char_at_cursor keycodes カーソル位置の文字を消去します。

1

kaijo keycodes カーソル位置の文節以降の変換された文字列を、変換前の状態に戻します。

0 2

henkan keycodes 連文節変換を行います。

1

tan_henkan keycodes 小文節を一文節として単文節変換を行います。

1

tan_henkan_dai keycodes 大文節を一文節として単文節変換を行います。

1

nobi_henkan keycodes 文節の伸縮時に、反転している部分を小文節として単文節変換してそれ以降を連文節変換します。

2

nobi_henkan_dai keycodes 文節の伸縮時に、反転している部分を大文節として単文節変換してそれ以降を連文節変換します。

2

jikouho keycodes 小文節として次候補を表示します。

0

jikouho_dai keycodes 大文節として次候補を表示します。

0

zenkouho keycodes 小文節として前候補を表示します。

0

zenkouho_dai keycodes 大文節として前候補を表示します。

0

select_jikouho keycodes 小文節として次候補一覧を表示します。

0

select_jikouho_dai keycodes 大文節として次候補一覧を表示します。

0

kana_henkan keycodes 漢字かな変換を行います。
ただし、逆引き形式（登録可能形式で、漢字→かな変換が行えます）辞書のみ有効です。

1

kill keycodes カーソル以降（カーソル位置を含む）の文字列を消去して、バッファに蓄積します。

1

yank keycodes バッファの内容をカーソル位置に挿入します。

1

yank_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

1 3

bunsetu_nobasi keycodes 文節の長さを一文字長くします。

0

bunsetu_chijime keycodes 文節の長さを一文字短くします。

0

jisho_utility keycodes 辞書操作を行うモードに入ります。

0 1 2

jisho_utility_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

0 1 2 3

touroku keycodes 単語登録を行うモードに入ります。

0 1 2

touroku_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

0 1 2 3

sainyuuryoku keycodes 前に入力されたかな文字列に置き換えます。

1

sainyuuryoku_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

1 3

kuten keycodes 区点コード入力を行うモードに入ります。

1

kuten_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

1 3

jis keycodes JIS コード入力を行うモードに入ります。

1

jis_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

1 3

redraw_line keycodes 変換行の書き直しを行います。

0 1 2 4

redraw_line_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

0 1 2 3 4

previous_history keycodes ヒストリに記憶されている 1 つ前の文字列に置き換えます。

1

previous_history_e keycodes 同上。バッファが空の状態でも動作します。

1 3

next_history keycodes ヒストリに記憶されている一つ後ろの文字列に置き換えます。

1

next_history_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

1 3

all_history keycodes ヒストリに記憶されているすべての文字列に置き換えます。

1

all_history_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

1 3

quit keycodes 該当モード(4) のモードから抜けます。

4

change_to_insert_mode keycodes 変換された文字列を、もう一度編集できる状態にします。ここで変換された漢字は、かなには戻せません。

0

quote keycodes 次の入力文字が、henkan_on 以外の文字ならば、それを quote します。つまり、次の入力文字をローマ字かな変換に通さずにキーバインド定義されている機能があってもそれを無効として、直接変換行に入れます。

1

quote_e keycodes 同上。
バッファが空の状態でも動作します。

1 3

forward_select keycodes 次候補など候補を選択するモードで、反転部分を右方向へ移動させます。

4

backward_select keycodes 次候補など候補を選択するモードで、反転部分を左方向へ移動させます。

4

next_select keycodes 次候補など候補を選択するモードで、次の画面へ移動します。

4

previous_select keycodes 次候補など候補を選択するモードで、前の画面へ移動します。

4

linestart_select keycodes 次候補など候補を選択するモードで、先頭画面へ移動します。

4

lineend_select keycodes 次候補など候補を選択するモードで、最後の画面へ移動します。

4

select_select keycodes 次候補など候補を選択するモードで、候補選択と同時にモードから抜けます。

4

send_ascii_char keycodes それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、それをバッファに蓄積しないようにします。

0 1 2 3 4

not_send_ascii_char keycodes それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、それをバッファに蓄積します。

0 1 2 3 4

pop_send_ascii_char keycodes それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、動作を前の状態に戻します。

0 1 2 3 4

toggle_send_ascii_char keycodes それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、動作を反対の状態にします。

0 1 2 3 4

quote_send_ascii_char keycodes 前述の send_ascii_char で、バッファが空の場合に次の ASCII 文字をバッファに蓄積します。
それ以降のバッファが空の場合は蓄積しないようにします。

3

reconnect_jserver keycodes jserver との再接続を行います。

0 1 2 3 4

inspect keycodes 単語情報の表示を行います。

0

sakujo_kouho keycodes 候補の削除を行います。

0

forward_bunsetsu keycodes 一文節右へ移動します。
未定義の場合は、forward_char で定義したキーコードで動作します。

0

henkan_forward keycodes 反転表示されている部分を単文節変換、それ以降を連文節変換して、一つ右の文節へ移動します。
未定義の場合は、forward_char で定義したキーコードで動作します。

2

backward_bunsetsu keycodes 一文節左へ移動します。
未定義の場合は、backward_char で定義したキーコードで動作します。

0

henkan_backward keycodes 反転表示されている部分を単文節変換、それ以降を連文節変換して、一つ左の文節へ移動します。
未定義の場合は、backward_char で定義したキーコードで動作します。

2

top_bunsetsu keycodes 行の先頭の文節へ移動します。
未定義の場合は、goto_top_of_line で定義したキーコードで動作します。

0

end_bunsetsu keycodes 行の末尾の文節へ移動します。
未定義の場合は、goto_end_of_line で定義したキーコードで動作します。

0

jmptijime keycodes 行の先頭文字へ移動します。
未定義の場合は、goto_top_of_line で定義したキーコードで動作します。

2

c_end_nobi keycodes 行の末尾の文字へ移動します。
未定義の場合は、goto_end_of_line で定義したキーコードで動作します。

2

forward keycodes 文節の長さを一文字分長くします。
未定義の場合は、bunsetu_nobasi で定義したキーコードで動作します。

2

chijime keycodes 文節の長さを一文字分短くします。
未定義の場合は、bunsetu_chijime で定義したキーコードで動作します。

2

rubout keycodes カーソルの左にある文字を消去します。
romkan でも使用されており、キーコードの指定は 1 バイトに制限されます。

1

下線部分にはキーコード（複数可）が入ります。
機能エントリ名 / モード	機　　能
goto_top_of_line keycodes	行の先頭の文字へカーソル移動します。
1
goto_end_of_line keycodes	行の最後の文字へカーソル移動します。
1
delete_char_at_cursor keycodes	カーソル位置の文字を消去します。
1
kaijo keycodes	カーソル位置の文節以降の変換された文字列を、変換前の状態に戻します。
0 2
henkan keycodes	連文節変換を行います。
1
tan_henkan keycodes	小文節を一文節として単文節変換を行います。
1
tan_henkan_dai keycodes	大文節を一文節として単文節変換を行います。
1
nobi_henkan keycodes	文節の伸縮時に、反転している部分を小文節として単文節変換してそれ以降を連文節変換します。
2
nobi_henkan_dai keycodes	文節の伸縮時に、反転している部分を大文節として単文節変換してそれ以降を連文節変換します。
2
jikouho keycodes	小文節として次候補を表示します。
0
jikouho_dai keycodes	大文節として次候補を表示します。
0
zenkouho keycodes	小文節として前候補を表示します。
0
zenkouho_dai keycodes	大文節として前候補を表示します。
0
select_jikouho keycodes	小文節として次候補一覧を表示します。
0
select_jikouho_dai keycodes	大文節として次候補一覧を表示します。
0
kana_henkan keycodes	漢字かな変換を行います。ただし、逆引き形式（登録可能形式で、漢字→かな変換が行えます）辞書のみ有効です。
1
kill keycodes	カーソル以降（カーソル位置を含む）の文字列を消去して、バッファに蓄積します。
1
yank keycodes	バッファの内容をカーソル位置に挿入します。
1
yank_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
bunsetu_nobasi keycodes	文節の長さを一文字長くします。
0
bunsetu_chijime keycodes	文節の長さを一文字短くします。
0
jisho_utility keycodes	辞書操作を行うモードに入ります。
0 1 2
jisho_utility_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
0 1 2 3
touroku keycodes	単語登録を行うモードに入ります。
0 1 2
touroku_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
0 1 2 3
sainyuuryoku keycodes	前に入力されたかな文字列に置き換えます。
1
sainyuuryoku_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
kuten keycodes	区点コード入力を行うモードに入ります。
1
kuten_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
jis keycodes	JIS コード入力を行うモードに入ります。
1
jis_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
redraw_line keycodes	変換行の書き直しを行います。
0 1 2 4
redraw_line_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
0 1 2 3 4
previous_history keycodes	ヒストリに記憶されている 1 つ前の文字列に置き換えます。
1
previous_history_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
next_history keycodes	ヒストリに記憶されている一つ後ろの文字列に置き換えます。
1
next_history_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
all_history keycodes	ヒストリに記憶されているすべての文字列に置き換えます。
1
all_history_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
quit keycodes	該当モード(4) のモードから抜けます。
4
change_to_insert_mode keycodes	変換された文字列を、もう一度編集できる状態にします。ここで変換された漢字は、かなには戻せません。
0
quote keycodes	次の入力文字が、henkan_on 以外の文字ならば、それを quote します。つまり、次の入力文字をローマ字かな変換に通さずにキーバインド定義されている機能があってもそれを無効として、直接変換行に入れます。
1
quote_e keycodes	同上。バッファが空の状態でも動作します。
1 3
forward_select keycodes	次候補など候補を選択するモードで、反転部分を右方向へ移動させます。
4
backward_select keycodes	次候補など候補を選択するモードで、反転部分を左方向へ移動させます。
4
next_select keycodes	次候補など候補を選択するモードで、次の画面へ移動します。
4
previous_select keycodes	次候補など候補を選択するモードで、前の画面へ移動します。
4
linestart_select keycodes	次候補など候補を選択するモードで、先頭画面へ移動します。
4
lineend_select keycodes	次候補など候補を選択するモードで、最後の画面へ移動します。
4
select_select keycodes	次候補など候補を選択するモードで、候補選択と同時にモードから抜けます。
4
send_ascii_char keycodes	それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、それをバッファに蓄積しないようにします。
0 1 2 3 4
not_send_ascii_char keycodes	それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、それをバッファに蓄積します。
0 1 2 3 4
pop_send_ascii_char keycodes	それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、動作を前の状態に戻します。
0 1 2 3 4
toggle_send_ascii_char keycodes	それ以降バッファが空のときに ASCII 文字が入力された場合に、動作を反対の状態にします。
0 1 2 3 4
quote_send_ascii_char keycodes	前述の send_ascii_char で、バッファが空の場合に次の ASCII 文字をバッファに蓄積します。それ以降のバッファが空の場合は蓄積しないようにします。
3
reconnect_jserver keycodes	jserver との再接続を行います。
0 1 2 3 4
inspect keycodes	単語情報の表示を行います。
0
sakujo_kouho keycodes	候補の削除を行います。
0
forward_bunsetsu keycodes	一文節右へ移動します。未定義の場合は、forward_char で定義したキーコードで動作します。
0
henkan_forward keycodes	反転表示されている部分を単文節変換、それ以降を連文節変換して、一つ右の文節へ移動します。未定義の場合は、forward_char で定義したキーコードで動作します。
2
backward_bunsetsu keycodes	一文節左へ移動します。未定義の場合は、backward_char で定義したキーコードで動作します。
0
henkan_backward keycodes	反転表示されている部分を単文節変換、それ以降を連文節変換して、一つ左の文節へ移動します。未定義の場合は、backward_char で定義したキーコードで動作します。
2
top_bunsetsu keycodes	行の先頭の文節へ移動します。未定義の場合は、goto_top_of_line で定義したキーコードで動作します。
0
end_bunsetsu keycodes	行の末尾の文節へ移動します。未定義の場合は、goto_end_of_line で定義したキーコードで動作します。
0
jmptijime keycodes	行の先頭文字へ移動します。未定義の場合は、goto_top_of_line で定義したキーコードで動作します。
2
c_end_nobi keycodes	行の末尾の文字へ移動します。未定義の場合は、goto_end_of_line で定義したキーコードで動作します。
2
forward keycodes	文節の長さを一文字分長くします。未定義の場合は、bunsetu_nobasi で定義したキーコードで動作します。
2
chijime keycodes	文節の長さを一文字分短くします。未定義の場合は、bunsetu_chijime で定義したキーコードで動作します。
2
rubout keycodes	カーソルの左にある文字を消去します。 romkan でも使用されており、キーコードの指定は 1 バイトに制限されます。
1

キーバインド定義ファイルの記述例を以下に示します。

　（例）

; include file

include /usr/local/lib/wnn6/ja_JP/uumkey　… (a)

; Commands　　　　　　　　Codes

jikouho　　　　　　　　　　^N 0x92 ^W 0x9E　… (b)

unset change_to_insert_mode　… (c)

　　";" ではじまる行はコメントです。

(a) の行では、キーバインド定義の初期設定ファイル /usr/local/lib/wnn6/ja_JP/uum key を読み込んで展開しています。

(b) の行では、(a) で指定したファイルで jikouho の機能エントリのキーバインドを変更しています。

1.2 キーコード定義

2A_CTRL　コントロール・コマンド定義表
cvt_key_tbl　キーコード変換表ファイル
cvt_xim_tbl　xwnmo ファンクションキー変換データベース、xwnmo メタキー変換データベース

(1) 2A_CTRL

xwnmo の起動時に参照されるファイルで、変換用のキー設定を行います。ここで定義されたキーコードは uumkey ファイルの設定の中で使用されます。

形式:

/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/rk/2A_CTRL

（例）

PF1 ～ PF4 とカーソルキーが入力された場合に受け取るコードは以下のようになります。ただし、これらはローマ字かな変換ライブラリを使用した場合には該当しません。

キー　受け取るコード

[PF1]
[PF2]
[PF3]
[PF4]

→
←
↓
↑ 0x81
0x82
0x83
0x84

0x90
0x91
0x92
0x93

（注）

**（注）**
[PF1] ～ [PF4] とカーソルキーについては、次のような注意が必要です。　端末が 2 バイト以上のコードを発生する場合、変換が行われる前に、uum によってキーボードから発生する文字列のデータが 1 バイトのコードに変換されます。これについては、後述の「(2) cvt_key_tbl」を参照してください。

2A_CTRL ファイルの記述例を以下に示します。 ";" ではじまる行は、コメントです。

**（例）**
(defvar esc (list '¥033' '^X')) (defvar char (all)) (defvar cont (list '^g')) (unless esc)'¥x81' (switch katakana) ; PF1 key (unless esc)'¥x82' (switch zenkaku) ; PF2 key (unless esc)'¥x83' (switch romkan) ; PF3 key (if romkan)(unless quote)(esc) (on esc)(off romkan)(esc) (if esc)(char) (off esc)(on romkan)(char) (if romkan)q (on quote)(off romkan)(off zenkaku) (if romkan)Q (on quote)(off romkan)(on zenkaku) (if quote)(cont) (off quote)(on romkan)

(2) cvt_key_tbl

キーコード変換表を定義するファイルです。

形式:

/usr/local/lib/wnn6/cvt_key_tbl

termcap / terminfo ファイルにあるキーボードが発行する文字列のデータにしたがって、1 バイトの文字に変換します。このときにタイムアウト処理を行い、変換途中の文字列の続きが 1 秒以上入力されない場合は、無変換で出力します。

書式
termcap / terminfo にあるエントリ名　　コード　　　　　　　　・　　　　　　　　　　・　　　　　　・　　　　　　　　　　・　　　　　　・　　　　　　　　　　・

termcap / terminfo にあるエントリ名とコードの記述の間は、 [SPACE] または [TAB] キーで区切ります。 ";" ではじまる行は、コメントとなります。

変換の対象となる termcap / terminfo のエントリはそれぞれ次のようになっています。（注）

termcap:
　cs rc sc se so us ue cm ce cl bl li co

terminfo:
　kf0 kf1 kf2 kf3 kf4 kf5 kf6 kf7 kf8 kf9
　kf10 kf11 kf12 kf13 kf14 kf15 kf16 kf17 kf18 kf19
　kf20 kf21 kf22 kf23 kf24 kf25 kf26 kf27 kf28 kf29
　kf30 kf31
　kbs ktbc kclr kctab kdch1 kdl1 kcudl krmir kel ked
　khome kich1 kil1 kcub1 kl1 knp kpp kcuf1 kind kri
　khts kcuu1

**（注）**
変換されたコードは、前出のローマ字かな変換オートマトン 2A_CTRL（初期設定）によって評価され、次に uumkey ファイルによって評価されます。

コードの表記:

空白文字、¥、^ を除く一文字（例: A B C）
その文字そのものを示します。
CTRL + 文字（例: ^A ^@）
文字には、@、A(a)、B(b)...Z(z)、[、¥、]、^、_ の各キーが該当します。

^@　CTRL + @(0x00)
^A　CTRL + A(0x01)
^B　CTRL + B(0x02)
・　　　・
・　　　・
・　　　・
^_　CTRL + _(0x1f)
¥8進数　¥o8進数　¥d10進数　¥x16進数（例: ¥x81）
文字コードを直接記述します。
¥n ¥t ¥b ¥r ¥f ¥e ¥E
それぞれ次のようになります。
¥n　NEWLINE
¥t　TAB
¥b　BACKSPACE
¥r　CR
¥f　FORMFEED
¥e　ESC
¥E　ESC
¥文字（例: ¥A）
文字には、0～7、o、d、x、n、t、b、r、f、e、E 以外が入ります。
文字 "¥" を表す場合は "¥¥" とします。

cvt_key_tbl ファイルの記述例を以下に示します。 ";" ではじまる行は、コメントです。

**（例）**
kf1　　¥x81 kf2　　¥x82 kf3　　¥x83 kf4　　¥x84 kcud1　¥x92 kcub1　¥x91 kcuf1　¥x90 kcuu1　¥x93

(3) cvt_xim_tbl

xwnmo のファンクションキーおよびメタキー変換データベースです。キーボードから発生したファンクションキー、メタキーに関するデータベースで、xwnmo はここで設定されたデータにしたがって Keysym を 1 バイトの文字に変換します。（注）

**（注）**
これによって変換されたコードは、前出のローマ字かな変換オートマトン 2A_CTRL（初期設定）によって評価され、次に uumkey ファイルによって評価されます。

形式:

/usr/local/lib/wnn6/cvt_xim_tbl

書式
Keysym　　コード　　　・　　　・　　・　　　・　　・　　　・

Keysym とコードの記述の間は、[SPACE] または [TAB] で区切ります。 ";" ではじまる行は、コメントです。

コードの表記:

　　下記で、? には値が入ります。

　　8進数　　0??
　　10進数　　??
　　16進数　　0x??、0X??

cvt_xim_tbl ファイルの記述例を以下に示します。 ";" ではじまる行は、コメントです。

**（例）**
;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Meta\|Left　0x9A Meta\|Up　　0x99 Meta\|Right　0x9B Meta\|Down　0x9C Meta\|F11　　0x95 Meta\|F12　　0x96 Meta\|F13　　0x97 Meta\|F14　　0x98 Meta\|minus　　0x81 Meta\|asciicircum　　0x82 Meta\|backslash　　0x83 ; Kanji　　0x9E Left　　0x91 Up　　0x93 Right　　0x90 Down　　0x92 Execute　　0x9F F1　　0x81 F2　　0x82 F3　　0x83 　　・　　　・　　　・

2.かな漢字変換環境の設定

形式:

/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/wnnenvrc

（注）
辞書、頻度ファイルは、kinput2 が接続するjserverが起動しているマシン上のファイル名を指定します。指定した登録可能形式辞書、頻度ファイルが存在しない場合、jserver起動マシン上にあらたに作成されます。　

**（注）**
辞書、頻度ファイルは、kinput2 が接続するjserverが起動しているマシン上のファイル名を指定します。指定した登録可能形式辞書、頻度ファイルが存在しない場合、jserver起動マシン上にあらたに作成されます。

（参）
　クライアントに Mule を使用する場合は、eggrc ファイルで wnnenvrc と同じ設定を行います。

**（参）**
クライアントに Mule を使用する場合は、eggrc ファイルで wnnenvrc と同じ設定を行います。

wnnenvrc は以下のような書式で作成します。

エントリ　設定値（設定値…）
エントリ　設定値（設定値…）
エントリ　設定値（設定値…）
エントリ　設定値（設定値…）
　・　　　　　・
　・　　　　　・
　・　　　　　・

エントリと設定値の間には [SPACE] または [TAB] を入力して区切ります。 ";" で始まる行はコメントと解釈され、実行されません。

エントリが重複した場合、setdic 以外は最後に記述されてあるものが採用されます。辞書の設定(setdic, set_fi_system_dic, set_fi_user_dic, muhenkan_gakusyuu, bunsetsugiri_gakusyuu)では、合わせて 30 個まで設定できます。
初期化ファイル wnnenvrc のエントリには次のようなものがあります。

下線部分にはファイル名が入ります。
エントリ名機能／設定方法

include 他の wnnenvrc ファイルを読み込みます。
個人の設定を付け加える場合などに使用します。

include wnnenvrc ファイル名

下線部分にはファイル名が入ります。
エントリ名	機能／設定方法
include	他の wnnenvrc ファイルを読み込みます。個人の設定を付け加える場合などに使用します。
include wnnenvrc ファイル名

記法

include の引数には、先頭に以下の記法を使用することができます。

‾ または @HOME	環境変数 HOME の値
‾username	/etc/passwd ファイルに登録されている lognameである username のホームディレクトリ名
@LIBDIR	初期設定での Wnn6 環境ファイルのディレクトリパス名 (/usr/local/lib/wnn6)

下線部分にはファイル名 / 数値が入ります。
エントリ名機能／設定方法

setdic 辞書情報について指定します。

辞書ファイル名を指定します。
指定した辞書の頻度ファイル名を指定します。
ここで、"-" を指定すると、1. で指定した辞書ファイル内の頻度を使用します。
1, 2 のファイル名の先頭で、次のような指定を行うことができます。

!ファイル名
クライアント側のファイルを使用します
:ファイル名
jserver 側のファイルを使用します。
hostname:ファイル名
hostname の wnnds 側のファイルを使用します。

ファイル名の先頭に何も指定がない場合には、jserverで初期設定されている wnnds 側のファイルを使用します（wnnds が初期設定されていなければ、 jserver 側のファイルを使用します）。
辞書の優先度を10進数で指定します。
辞書を READ_ONLY にするかを指定します。
辞書の指定は、次のようになっています。
　　1　 READ_ONLY にします。
　　2　テンポラリ学習です。
　　3　グループ辞書になります。
　　4　マージ辞書になります。
　　0　上記以外の場合
READ_ONLY を指定した場合、辞書ファイルの更新を行いません。テンポラリ学習を指定した場合、ファイル保存時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書を複数ユーザで同時に使用する場合には、グループ辞書またはマージ辞書に設定してください。
頻度を READ_ONLY にするかを指定します。
頻度の指定は、次のようになっています。
　　1　 READ_ONLY にします。
　　2　テンポラリ学習です。
　　0　上記以外の場合
READ_ONLY を指定した場合、頻度ファイルの更新を行いません。テンポラリ学習を指定した場合、ファイル保存時に、ディスクに情報を書き込みません。
辞書ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
頻度ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。
かな漢字変換の場合は 0 を、漢字かな変換の場合は 1 を指定します。

setdic 辞書ファイル名頻度ファイル名
辞書プライオリティ
辞書READ_ONLY 頻度 READ_ONLY
辞書ファイルのパスワードが記述してあるファイル名
頻度ファイルのパスワードが記述してあるファイル名
かな漢字変換／漢字かな変換

（参）
setdic に続く引数の指定で、2番めの頻度ファイル名の指定以降を省略すると、初期設定値が採用されます。
辞書ファイル名を除く各項目の初期設定値は順に、" - 5 0 0 - - 0" です。

**（参）**
setdic に続く引数の指定で、2番めの頻度ファイル名の指定以降を省略すると、初期設定値が採用されます。辞書ファイル名を除く各項目の初期設定値は順に、" - 5 0 0 - - 0" です。

下線部分にはファイル名／数値が入ります。
エントリ名機能／設定方法

set_fi_system_dic FI 関係システム辞書情報について指定します。

FI 関係システム辞書ファイル名を指定します。
指定した FI 関係システム辞書ファイル名の頻度ファイル名を指定します。
ここで、"-" を指定すると FI 関係頻度更新は行いません。
1, 2 のファイル名の先頭で、次のような指定を行うことができます。

!ファイル名
クライアント側のファイルを使用します
:ファイル名
jserver 側のファイルを使用します。
hostname:ファイル名
hostname の wnnds 側のファイルを使用します。

ファイル名の先頭に何も指定がない場合には、jserver で初期設定されている wnnds 側のファイルを使用します（wnnds が初期設定されていなければ、jserver 側のファイルを使用します）。
FI 関係頻度を READ_ONLY にするかを指定します。
　　1　 READ_ONLY にします。
　　2　テンポラリ学習です。
　　3　グループ辞書になります。
　　0　上記以外の場合
READ_ONLY を指定した場合、FI 関係頻度の更新を行いません。テンポラリ学習を指定した場合、ファイル保存時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書、頻度を複数ユーザで同時に使用する場合には、グループ辞書に設定してください。
FI 関係頻度ファイルのパスワードを記述したファイル名を指定します。

set_fi_system_dic FI 関係システム辞書ファイル名
FI 関係頻度ファイル名
FI 関係頻度 READ_ONLY
FI 関係頻度ファイルのパスワードが
記述してあるファイル名

set_fi_user_dic FI 関係ユーザ辞書情報について指定します。

FI 関係ユーザ辞書ファイル名を指定します。
ファイル名の先頭で、次のような指定を行うことができます。

!ファイル名
クライアント側のファイルを使用します
:ファイル名
jserver 側のファイルを使用します。
hostname:ファイル名
hostname の wnnds 側のファイルを使用します。

ファイル名の先頭に何も指定がない場合には、jserver で初期設定されている wnnds 側のファイルを使用します（wnnds が初期設定されていなければ、jserver 側のファイルを使用します）。
FI 関係ユーザ辞書を READ_ONLY にするかを指定します。
　　1　 READ_ONLY にします。
　　2　テンポラリ学習です。
　　3　グループ辞書になります。
　　0　上記以外の場合
READ_ONLY を指定した場合、FI 関係ユーザ辞書の更新を行いません。テンポラリ学習を指定した場合、ファイル保存時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書を複数ユーザで同時に使用する場合には、グループ辞書に設定してください。
FI 関係ユーザ辞書ファイル名のパスワードを記述したファイル名を指定します。

set_fi_user_dic FI 関係ユーザ辞書ファイル名
FI 関係ユーザ辞書 READ_ONLY
FI 関係ユーザ辞書ファイルのパスワードが
記述してあるファイル名

muhenkan_gakusyuu 無変換変換学習辞書情報について指定します。
〈辞書に登録されていない、ひらがな・カタカナ・ローマ字で候補を確定した場合、その候補を無変換学習辞書に自動的に登録します〉

無変換学習辞書ファイル名を指定します。
ファイル名の先頭で、次のような指定を行うことができます。

!ファイル名
クライアント側のファイルを使用します
:ファイル名
jserver 側のファイルを使用します。
hostname:ファイル名
hostname の wnnds 側のファイルを使用します。

ファイル名の先頭に何も指定がない場合には、jserver で初期設定されている wnnds 側のファイルを使用します（wnnds が初期設定されていなければ、jserver 側のファイルを使用します）。
無変換学習辞書を READ_ONLY にするかを指定します。
　　1　 READ_ONLY にします。
　　2　テンポラリ学習です。
　　3　グループ辞書になります。
　　0　上記以外の場合
READ_ONLY を指定した場合、無変換辞書の更新を行いませんテンポラリ学習を指定した場合、ファイル保存時に、ディスクに情報を書き込みません。
1 つの辞書を複数ユーザで同時に使用する場合には、グループ辞書に設定してください。
無変換学習辞書の優先度を10進数で指定します。
無変換学習辞書ファイル名のパスワードを記述したファイル名を指定します。
かな漢字変換の場合は 0 を、漢字かな変換の場合は 1 を指定します。

muhenkan_gakusyuu 無変換学習辞書ファイル名
無変換学習辞書 READ_ONLY
無変換学習辞書プライオリティ
無変換学習辞書ファイルのパスワードが
記述してあるファイル名
かな漢字変換／漢字かな変換

bunsetsugiri_gakusyuu 文節切り学習辞書情報について指定します。
〈確定時、文節を切り直した場合に、切り直された箇所の前後の2 文節を 1 つの候補として、文節切り学習辞書に登録します〉

文節切り学習辞書ファイル名を指定します。
ファイル名の先頭で、次のような指定を行うことができます。

!ファイル名
クライアント側のファイルを使用します
:ファイル名
jserver 側のファイルを使用します。
hostname:ファイル名
hostname の wnnds 側のファイルを使用します。

ファイル名の先頭に何も指定がない場合には、jserverで初期設定されている wnnds 側のファイルを使用します（wnnds が初期設定されていなければ、jserver 側のファイルを使用します）。
文節切り学習辞書を READ_ONLY にするかを指定します
　　1　 READ_ONLY にします。
　　2　テンポラリ学習です。
　　3　グループ辞書になります。
　　0　上記以外の場合
READ_ONLY を指定した場合、文節切り学習辞書の更新を行いません。テンポラリ学習を指定した場合、ファイル保存時にディスクに情報を書き込みません。
１つの辞書を複数ユーザで同時に使用する場合には、グループ辞書に設定してください。
文節切り学習辞書の優先度を10進数で指定します。
文節切り学習辞書ファイル名のパスワードを記述したファイル名を指定します。
かな漢字変換の場合は 0 を、漢字かな変換の場合は 1 を指定します。

bunsetsugiri_
　　　 gakusyuu 無変換学習辞書ファイル名
無変換学習辞書 READ_ONLY
無変換学習辞書プライオリティ
無変換学習辞書ファイルのパスワードが
記述してあるファイル名
かな漢字変換／漢字かな変換

setfuzokugo
setgrammar 付属語ファイルを指定します。

setfuzokugo 付属語ファイル名
setgrammar　付属語ファイル名

setparam 10個の変換パラメータと疑似品詞の頻度を整数値で指定します

( )内は初期設定値

param0 N（大）文節解析の N ( 5)

param1 大文節中の小文節の最大数 (10)

param2 自立語の頻度に対する係数 ( 2)

param3 小文節長に対する係数 (45)

param4 自立語長に対する係数 ( 0)

param5 使用ビットに対する係数 (80)

param6 辞書に対する係数 ( 5)

param7 小文節の評価値に対する係数 ( 1)

param8 大文節長に対する係数 (20)

param9 小文節数に対する係数 ( 0)

hindo0 疑似品詞「数字」の頻度 ( 400)

hindo1 疑似品詞「カナ」の頻度 (-100)

hindo2 疑似品詞「英数」の頻度 ( 400)

hindo3 疑似品詞「記号」の頻度 (80)

hindo4 疑似品詞「閉括弧」の頻度 ( 200)

hindo5 疑似品詞「付属語」の頻度 ( 2)

hindo6 疑似品詞「開括弧」の頻度 ( 200)

setparam param0 param1 param2 param3 param4 param5 param6 param7 param8 param9 hindo0 hindo1 hindo2 hindo3 hindo4 hindo5 hindo6

confirm このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合、ユーザに対して、新しく作成するかの確認を行います。

confirm1 このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合、ユーザに対して、新しく作成するかの確認を 1 度だけ行います。
以後は、その設定を採用します。

create_without_confirm このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合、無条件に新しく作成します。

no_create このエントリ以降で指定された辞書、頻度ファイルが存在しない場合は、新しく作成はしません。

saisyu_siyou 最終使用最優先処理を行うかを指定します。
〈同音異義語の中で直前に確定した候補を最初に出し、次候補リストには確定順に 6 つまでを提示します〉
最終使用最優先処理を行う場合には TRUE、そうでない場合には FALSE を指定します。

saisyu_siyou TRUE / FALSE
下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

fukugou_yuusen 複合語優先変換を行うかを指定します。
〈付属語を含まない候補を優先する変換です〉
複合語優先変換を行う場合には TRUE、そうでない場合には FALSE を指定します。

fukugou_yuusen TRUE / FALSE
下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

（例）
　複合語優先変換では、たとえば、「東京‐と」より「東京都」を優先します。

**（例）**
複合語優先変換では、たとえば、「東京‐と」より「東京都」を優先します。

　　　エントリ名　　　　　　　　　機能／設定方法

okuri_kijun 送り基準処理規則を指定します。
〈送りがなのみ異なる候補（例:行う、行なう）の変換を行うとき、指定された法則（本則・送る・送らない）に一致する候補を最初に提示する処理です〉
本則候補を提示する場合は REGULATION 、送る候補を提示する場合は YES 、送らない候補を提示する場合は NO を指定します。

okuri_kijun　REGULATION / YES　/ NO
下線部分には、REGULATION YES NO のいずれかが入ります。

settou_kouho 接頭語初期候補を指定します。
ひらがなの候補を提示する場合は HIRAGANA、漢字の候補を提示する場合は、KANJI を指定します。

settou_kouho HIRAGANA / KANJI
下線部分には、HIRAGANA KANJI のいずれかが入ります。

rendaku 連濁処理を行うかを指定します。
〈連濁する候補（例:会社「がいしゃ」）を最初に提示しない処理です〉
連濁処理を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSEを指定します。

rendaku TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

yuragi 長音・揺らぎ処理を行うかを指定します。
〈長音・揺らぎを含む読み（例:「ほーほー」→方法、「こうり」→氷）で変換を行います〉。
長音・揺らぎ処理を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSEを指定します。

yuragi TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

okuri_gakusyu 送り基準学習を行うかを指定します。
〈直前に確定した送り基準法則を学習し、次回の変換に反映します〉。
送り基準学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSE を指定します。

okuri_gakusyu TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

settou_gakusyu 接頭語学習を行うかを指定します。
〈直前に確定した接頭語候補情報（ひらがな・漢字）を学習し、次回の変換に反映します〉。
接頭語学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSEを指定します。

settou_gakusyu TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

setubi_gakusyu 接尾語学習を行うかを指定します。
〈直前に確定した接尾語候補情報（送る・送らない）を学習し、次回の変換に反映します〉。
接頭語学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSE を指定します。

setubi_gakusyu TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

hanyou_gakusyu 一般語学習を行うかを指定します。
〈直前に確定した一般語候補情報（ひらがな・カタカナ・漢字）を学習し、次回の変換に反映します〉。
一般語学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSE を指定します。

hanyou_gakusyu TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

hindo_kakuritu Wnn6 の頻度学習方法を指定します。
すぐに学習する場合は HIGH、普通学習の場合は NORMAL、スローで学習する場合は LOW 、必ず学習する場合は ALWAYS 、学習しない場合は NOT　を指定します。

hindo_kakuritu NOT / ALWAYS / HIGH / NORMAL / LOW
下線部分には、NOT ALWAYS HIGH NORMAL LOW のいずれかが入ります。

fi_hindo_kakuritu FI 関係頻度上昇学習方法を指定します。
すぐに学習する場合は HIGH、普通学習の場合は NORMAL
スローで学習する場合は LOW 、必ず学習する場合は
ALWAYS 、学習しない場合は NOT　を指定します。

fi_hindo_kakuritu　NOT / ALWAYS / HIGH / NORMAL / LOW
下線部分には、NOT ALWAYS HIGH NORMAL LOW のいずれかが入ります。

use_hinsi 変換に使用する品詞名のリストを記述します。

use_hinsi 品詞名1 品詞名2 品詞名3 …
下線部分には、品詞名が入ります。それぞれの品詞名は、[SPACE] または [TAB] で区切ります。

unuse_hinsi 変換に使用しない品詞名のリストを記述します。

unuse_hinsi 品詞名1 品詞名2 品詞名3 …
下線部分には、品詞名が入ります。それぞれの品詞名は、[SPACE] または [TAB] で区切ります。

giji_number 疑似数字の変換初期候補を指定します。
単位付きの漢数字を提示する場合は KANSUUJI、
単位付きの旧漢数字を提示する場合は KANOLD、
カンマ付きの半角数字を提示する場合は HANCAN、
カンマ付きの全角数字を提示する場合は ZENCAN、
カンマ無しの半角数字を提示する場合は HAN、
カンマ無しの全角数字を提示する場合は ZEN、
単位無しの漢数字を提示する場合は KAN を指定します。

giji_number KANSUUJI / KANOLD / HANCAN / ZENCAN / HAN / ZEN / KAN

下線部分には、KANSUUJI KANOLD HANCAN ZENCAN HAN ZEN KAN のいずれかが入ります。

giji_eisuu 疑似アルファベットの変換初期候補を指定します。
半角を提示する場合は HAN、全角を提示する場合は ZEN を指定します。

giji_eisuu HAN / ZEN
下線部分には、HAN ZEN のいずれかが入ります。

giji_kigou 疑似記号の変換初期候補を指定します。
半角を提示する場合は HAN、JIS 候補を提示する場合は JIS、ASCII 候補を提示する場合は ASC を指定します。

giji_kigou HAN / JIS / ASC
　下線部分には、HAN JIS ASC のいずれかが入ります。

kutouten 句読点入力モードを指定します。
「、」「。」を提示する場合は TRUE、「,」「.」を提示する場合は FALSE を指定します。

kutouten TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

kakko 括弧入力モードを指定します。
"「」" を提示する場合は TRUE、"[ ]"を提示する場合は FALSE を指定します。

kakko TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

kigou 記号入力モードを指定します。
「・」を提示する場合は TRUE、「／」を提示する場合は FALSE を指定します。

kigou TRUE / FALSE
　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

（例）
wnnenvrc の記述例を以下に示します。　

confirm1
setfuzokugo iwanami/kougo.fzk
set_fi_system_dic iwanami/fisd　　 usr/@USR/fisd.h　　　　0 -
set_fi_user_dic　 usr/@USR/fiud　　　　　　　　　　　　　 0 -
setdic iwanami/kihon.dic　　　　 usr/@USR/kihon.h　　　6 1 0 - - 0
setdic iwanami/symbol.dic　　　　usr/@USR/symbol.h　　 1 1 0 - - 0
setdic iwanami/tankan.dic　　　　-　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0
setdic iwanami/tankan2.dic　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0
setdic iwanami/tankan3.dic　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0
setdic iwanami/tel.dic　　　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0
setdic iwanami/zip.dic　　　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0
setdic iwanami/ikeiji.dic　　　　-　　　　　　　　　　 1 1 0 - - 0
setdic usr/@USR/ud　　　　　　　 -　　　　　　　　　　 15 0 0 - - 0
muhenkan_gakusyuu　　　　　　　　usr/@USR/muhenkan　　　 0 15 - 0
bunsetsugiri_gakusyuu　　　　　　usr/@USR/bunsetsu　　　 0 15 - 0
okuri_kijun REGULATION
settou_kouho　　KANJI
setubi_gakusyu　TRUE
hanyou_gakusyu　TRUE
hindo_kakuritu　NORMAL
giji_number HAN
unuse_hinsi 単漢字　郵便番号　　電話番号
;;　　　 N nsho hindo len jiri flag jisho sbn dbn_len sbn_cnt suuji kana
eisuu kigou toji_kakko fuzokogo kaikakko
setparam 5 10　 2　　 45　0　　80　 5　　 1　 20　　　0　　　 400　 -100
400　 80　　200　　　　2　　　　200

※";" で始まる行は、コメント行になります。
上記の指定で、"@USR" はクライアントのユーザ名に展開します。

**（例）**
wnnenvrc の記述例を以下に示します。
confirm1 setfuzokugo iwanami/kougo.fzk set_fi_system_dic iwanami/fisd　　 usr/@USR/fisd.h　　　　0 - set_fi_user_dic　 usr/@USR/fiud　　　　　　　　　　　　　 0 - setdic iwanami/kihon.dic　　　　 usr/@USR/kihon.h　　　6 1 0 - - 0 setdic iwanami/symbol.dic　　　　usr/@USR/symbol.h　　 1 1 0 - - 0 setdic iwanami/tankan.dic　　　　-　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0 setdic iwanami/tankan2.dic　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0 setdic iwanami/tankan3.dic　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0 setdic iwanami/tel.dic　　　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0 setdic iwanami/zip.dic　　　　　 -　　　　　　　　　　 1 1 1 - - 0 setdic iwanami/ikeiji.dic　　　　-　　　　　　　　　　 1 1 0 - - 0 setdic usr/@USR/ud　　　　　　　 -　　　　　　　　　　 15 0 0 - - 0 muhenkan_gakusyuu　　　　　　　　usr/@USR/muhenkan　　　 0 15 - 0 bunsetsugiri_gakusyuu　　　　　　usr/@USR/bunsetsu　　　 0 15 - 0 okuri_kijun REGULATION settou_kouho　　KANJI setubi_gakusyu　TRUE hanyou_gakusyu　TRUE hindo_kakuritu　NORMAL giji_number HAN unuse_hinsi 単漢字　郵便番号　　電話番号 ;;　　　 N nsho hindo len jiri flag jisho sbn dbn_len sbn_cnt suuji kana eisuu kigou toji_kakko fuzokogo kaikakko setparam 5 10　 2　　 45　0　　80　 5　　 1　 20　　　0　　　 400　 -100 400　 80　　200　　　　2　　　　200
※";" で始まる行は、コメント行になります。上記の指定で、"@USR" はクライアントのユーザ名に展開します。

3.オートマトン

3.1 オートマトンの概要

オートマトンは、変換表にしたがって、連続処理される 3 段階の変換（順に、前処理 - 本処理 - 後処理）を行い、その最終結果を出力します。
それぞれの段階での変換内容は以下の通りです。

（参）
　変換表の設定と同一の機能を持ったオートマトンライブラリがあります。

**（参）**
変換表の設定と同一の機能を持ったオートマトンライブラリがあります。

オートマトンの変換表は、モード定義表と対応表に分類されています。

モード定義表には、モードの宣言、各モードで使用する対応表の組み合わせと規則について記述します。
対応表には、入力コードと出力コードとの対応を記述します。対応表は、前処理・本処理・後処理の 3 段階に分類されており、それぞれ任意の数の表（ファイル）を使用できます。

3.2 モード定義表

モード定義表には、モード宣言、各モードで使用する対応表の組み合わせと規則、モード表示文字列を指定します。

モード定義表に該当するファイルは以下の順に検索されます。指定ファイルが認識された時点で、そのファイルが適応します。

xwnmo の起動オプション -r
初期化ファイル uumrc における setrkfile エントリの指定
/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/rk/mode

mode ファイルでは、行の先頭または空白文字（タブを含む）に続き、エスケープされていない ";" の行はコメントになります。

mode ファイルには次のような記法があります。

@HOME　環境変数 HOME の値を示します。

@MODEDIR　モード定義表が存在するディレクトリを示します。

@LIBDIR　初期設定してある変換表が存在するディレクトリを示します。
(/usr/local/lib/wnn6/)

‾user　 user で指定されたユーザ名の、login ディレクトリを示します。

‾　 login ユーザの login ディレクトリを示します。

エントリ名　　　　　機能 / 設定方法

defmode モードの宣言を行います。
モード名には英数字を使用します。
初期設定には、"on" または "off" を指定します。
省略時には "off" がセットされます。
強制ローマ字変換モード設定とは、ローマ字かな変換用のモードをオートマトンに認識させるための設定を行います。"r" または "nr" を指定します。省略時には "nr" が設定されます。
"r" に設定されているモードは、[PF6] などでひらがな変換を行うときに、現在のモードに関わらず使用されます。
モード宣言は、そのモードを使用する前に行います。

defmode　モード名　初期設定　強制ローマ字変換モード設定

下線部分に、モード名と初期設定値を指定します。

search モード定義表で指定される対応表がモード定義表と同一のディレクトリ下にない場合、検索するディレクトリを指定します。
ディレクトリ名は、[SPACE] で区切って複数指定することができます。
当エントリは、対応表の指定より前に記述（指定）されていなければなりません。
モード名には英数字を使用します。

search　ディレクトリ名（複数個可）

下線部分にディレクトリパス名を指定します。

path 対応表を検索するためにすでに設定されているディレクトリ名をバッファから削除して、当エントリの引数で渡されたディレクトリをあらたに検索するようにします。
ディレクトリ名は [SPACE] で区切って複数指定することができます。
当エントリは、対応表の指定より前に記述（指定）されていなければなりません。

path ディレクトリ名（複数個可）

下線部分にディレクトリパス名を指定します。

対応表とモード表示文字列の指定には、"if" と "when" を使った構文が利用できます。

　　　　　　　　　　　文　　法

if　条件式が真であれば、条件式に続く指定を参照し、if 文の次の指定は参照しません。条件式が偽であれば、if 文の次の指定を参照します。

(if (条件式)　　　　　　　　　　　　　　　… (1)
　　(対応表またはモード表示文字列の指定)) … (2)
(対応表またはモード表示文字列の指定)　　　… (3)

(1) の条件式が真のとき、(2) の指定が有効になり、(3) は無効となります。
(1) の条件式が偽のとき、(2) の指定が無効になり、(3) は有効となります。

when　条件式が真であれば、条件式に続く指定を参照します。条件式が偽であれば、when 文の次の指定を参照します。また、when 文は if 文と異なり、条件式の真偽に関わらず、次の指定を参照します。

(when (条件式)　　　　　　　　　　　　　　… (1)
　　(対応表またはモード表示文字列の指定)) … (2)
(対応表またはモード表示文字列の指定)　　　… (3)

(1) の条件式が真のとき、(2) と (3) が指定が有効になります。
(1) の条件式が偽のとき、(2) の指定が無効になり、(3) だけが有効となります。

また、上記の条件式では、以下のような式が使用できます。

　　式（モード）　　　　　式の値　

(and 条件式　条件式) 2 つの条件式が真のとき、真

(or 条件式　条件式) どちらかの条件式が真のとき、真

(not 条件式) 条件式が偽のとき、真

(false) 常に偽

(true) 常に真

モード表示文字列は、xwnmo で以下の [あr] のように表示されます。

モード表示文字列の指定は、" " で囲んだ文字列で指定します。

"string" 変換が ON のときのモード表示文字列を示します。

(on_dispmode "string")　変換が ON のときのモード表示文字列を示します。

(off_dispmode "string")　変換が OFF のときのモード表示文字列を示します。

(on_unchg)　変換が ON のときのモード表示文字列を、モード変更する前と同じモード表示文字列で示します。

(off_unchg)　変換が OFF のときのモード表示文字列を、モード変更する前と同じモード表示文字列で示します。

mode ファイルの記述例を以下に示します。

（例）

(defmode romkan r)
(defmode katakana)
(defmode zenkaku)

2A_CTRL
(if romkan
　　1B_TOUPPER
　　2B_ROMKANA 2B_JIS
　　(if (not katakana) "[あr]")
　　(if zenkaku 3B_KATAKNA "[アr]")
　　3B_HANKATA "[アイr]")

2B_DAKUTEN
(if (not katakana)　　　　　　　　　　… (1)　　　
　　1B_ZENHIRA
　　(if zenkaku 3B_ZENKAKU "[あ ]")
　　"[Aあ]")
　(if zenkaku　　　　　　　　　　　… (2)
　　1B_ZENKATA
　　3B_ZENKAKU
　　"[ア ]")
"[アイA]"

**（例）**
(defmode romkan r) (defmode katakana) (defmode zenkaku) 2A_CTRL (if romkan 　　1B_TOUPPER 　　2B_ROMKANA 2B_JIS 　　(if (not katakana) "[あr]") 　　(if zenkaku 3B_KATAKNA "[アr]") 　　3B_HANKATA "[アイr]") 2B_DAKUTEN (if (not katakana)　　　　　　　　　　… (1)　　　　　1B_ZENHIRA 　　(if zenkaku 3B_ZENKAKU "[あ ]") 　　"[Aあ]") 　(if zenkaku　　　　　　　　　　　… (2) 　　1B_ZENKATA 　　3B_ZENKAKU 　　"[ア ]") "[アイA]"

モードの宣言で、romkan / katakana / zenkaku が宣言され、初期設定は off です。
最初に 2A_CTRL の表が選択されています。次の if 文ですが、条件式に該当するモード romkan は off であるため、参照されません。続いて、2B_DAKUTEN が選択されます。(1) の if 文の条件式 (not katakana) は katakana が off ですから真となり、条件式に続く指定が参照されます。（1B_ZENHIRA が選択されます。）次の if 文 -if zenhaku - ですが、zenkaku は off であるため参照されずに、モードの表示文字列に "[Aあ]" が選択されます。同様に (2) の if 文も採用されません。 (1) の if 文が真であるため、最後の行にあるモードの表示文字列 "[アイA]" は選択されません。

3.3 対応表

　　前処理　　　‥‥‥　ファイル名が "1" ではじまるファイル
　　　　　　　　　　　　例:
　　　　　　　　　　　　　　　1B_TOUPPER
　　　　　　　　　　　　　　　1B_ZENHIRA
　　　　　　　　　　　　　　　1B_ZENKAKU
　　　　　　　　　　　　　　　1B_newTOUPPER

　　本処理　　　‥‥‥　ファイル名が "2" ではじまるファイル
　　　　　　　　　　　　例:
　　　　　　　　　　　　　　　2A_CTRL
　　　　　　　　　　　　　　　2B_DAKUTEN
　　　　　　　　　　　　　　　2B_JIS
　　　　　　　　　　　　　　　2B_ROMKANA
　　　　　　　　　　　　　　　2B_ROMKANA.atok
　　　　　　　　　　　　　　　2B_ROMKANA.egbridge
　　　　　　　　　　　　　　　2B_ROMKANA.wnn4
　　　　　　　　　　　　　　　2B_ROMKANA.wnn6
　　　　　　　　　　　　　　　2_TCODE

　　後処理　　　‥‥‥　ファイル名が "3" ではじまるファイル
　　　　　　　　　　　　例:
　　　　　　　　　　　　　　　3B_HANKATA
　　　　　　　　　　　　　　　3B_KATAKANA
　　　　　　　　　　　　　　　3B_ZENKAKU
　　　　　　　　　　　　　　　3B_HANKAKU_SP
　　　　　　　　　　　　　　　3B_ZENKAKU_SP

前処理、後処理は、本処理の補助過程という位置付けになります。

（参）
　上記で、キーコード定義のために重要な 2A_CTRL ファイルは、「1.2 (2) 2A_CTRL」で取り上げています。
　また、ローマ字かな変換の設定を行う 2B_ROMKANA ファイルについては、後述の「4.ローマ字かな変換定義表」で説明しています。

対応表の書式は以下の通りです。

　式　　注　釈

入力コード　[出力コード　[バッファ残り]] 「出力コード」と「バッファ残り」の省略時には NULL STRING として扱われます。

入力コード　機能本処理に対応します。
前処理、後処理には適応しません。

変数宣言式に使用する変数およびその変域の定義を行います。

（注 1）

上表の「入力コード」、「出力コード」、「バッファ残り」に対応する内容は、「評価すると文字（または文字列）になる式」を空白なしに記述したものです。（注 2）

（注）
1　それぞれの式で、2 行以上に渡って記述することはできません。

2　前処理と後処理の対応表には、上表で一番上の「入力コード」「出力コード」「バッファ残り」の書式で以下の制限があります。

前処理
「入力コード」「出力コード」には、それぞれ評価すると文字になる式を一つだけ書けます。バッファ残りは記述できません。
後処理
「入力コード」には、評価すると文字になる式を一つだけ書けます。バッファ残りは記述できません。

また、改行または空白文字（タブを含む）に続き、しかもエスケープされていない ";" から行末まではコメントとなります。

では、上表の式について順に説明していきます。

(1) 入力コード / 出力コード

入力コード、出力コード、およびバッファ残りには、「評価すると文字（または文字列）になる式」がきます。「評価すると文字（または文字列）になる式」とは、その式によって、文字または文字列に置き換わるような式を指します。

「評価すると文字になる式」と「評価すると文字列になる式」の内容について以下に示します。

評価すると文字になる式

文字表記（注）

表　示	内　　容
文字	「(」「)」「'」「"」「¥」「;」「」を除いた文字を指します。
'文字'	文字には「'」「¥」「^」を除きます。
'^文字'	コントロール文字。文字には、ASCII コードの 32～126 の文字または英小文字を使用します。「^?」は DEL コードを示します。
'¥文字'	文字には、数字と o d x を除いた文字を使用します。 '¥n', '¥t', '¥b', '¥r', '¥f' は C 言語のエスケープ符合列と同じで、'¥e' と '¥E' はESC コードを示します。
'¥8進コード'	指定された 8進コードに該当する文字を示します。
'¥o8進コード'	指定された 8進コードに該当する文字を示します。
'¥d10進コード'	指定された 10進コードに該当する文字を示します。
'¥x16進コード'	指定された 16進コードに該当する文字を示します。

（注）
これは、後述の「評価すると文字列になる式」の "文字表記" とは異なります。

(関数名　評価すると文字になる式)

関数名	機　　能
toupper	引数が ASCII 文字の英小文字のとき、大文字に変換します。例: (toupper a) → A
tolower	引数が ASCII 文字の英大文字のとき、小文字に変換します。例: (tolower A) → a
toupdown	引数が ASCII 文字の英小文字のとき、大文字に変換します。引数が ASCII 文字の英大文字のとき、小文字に変換します。例: (toupdown a) → A　　　(toupdown A) → a
tozenalpha	引数が ASCII 文字のとき、対応する全角文字に変換します。例: (tozenalpha A) → Ａ
tohira	引数が全角カタカナのとき、ひらがなに変換します。例: (tohira ア) → あ
tokata	引数がひらがなのとき、全角カタカナに変換します。例: (tokata あ) → ア
tozenhira	引数が半角カタカナのとき、ひらがなに変換します。例: (tozenhira �) → あ
tozenkata	引数が半角カタカナのとき、全角カタカナに変換します。例: (tozenkata �) → ア
value	引数の文字コードを実際の数値に変換します。例: (value 0) → '¥x0' 　　(value A) → '¥xa' 　　(value F) → '¥xf'

(関数名　評価すると文字になる式　評価すると文字になる式)

関数名	機　　能
+	引数の和を値にします。例: (+ あ　'¥d256') → ア　　(+ 0 (value 3)) → 3
-	引数の差を値にします。
*	引数の積を値にします。
*	引数の商を値にします。

(変数名>
関数名、機能名、変数宣言名のどれにも一致しない、英字ではじまり英数字の文字列を指します。"_" は英字と見なします。

（参）
機能名、変数宣言名については、それぞれ後述の「(2) 機能」「(3) 変数宣言」を参照してください。

評価すると文字列になる式

文字表記（注）

表　示	内　　容
文字	文字には「'」「¥」「^」を除きます。
^文字	コントロール文字。文字には、ASCII コードの 32～126 の文字または英小文字を使用します。「^?」は DEL コードを示します。
¥文字	文字には、数字と o d x を除いた文字を使用します。 '¥n', '¥t', '¥b', '¥r', '¥f' は C 言語のエスケープ符合列と同じで、'¥e' と '¥E' はESC コードを示します。
¥8進コード … … [;]	指定された 8進コードに該当する文字を示します。後に数字が続く場合、最後に [;] が必要です。
¥o8進コード … … [;]	指定された 8進コードに該当する文字を示します。後に数字が続く場合、最後に [;] が必要です。
¥d10進コード … … [;]	指定された 10進コードに該当する文字を示します。後に数字が続く場合、最後に [;] が必要です。
¥x16進コード … … [;]	指定された 16進コードに該当する文字を示します。後に数字が続く場合、最後に [;] が必要です。

（注）
これは、前述の「評価すると文字になる式」の "文字表記" とは異なります。

(関数名　評価すると文字列になる式)　（注）

関数名	機　　能
tohankata	引数が全角ひらがなまたは全角カタカナのとき、半角カタカナに変換します。例: (tohankata が) → ��
last=	最後に合致した文字列の最後の文字と関数の引数（評価すると文字列になる式）が一致するかどうかを返します。一致するときは (last= 評価すると文字列になる式) は空文字列になります。例: (last=A) → あ
todigit	第一引数に与えられたコードを第二引数のコード（進法）の数に変換します。
dakuadd	引数の後ろに濁点を付けます。
handakuadd	引数の後ろに半濁点を付けます。

（注）
　「評価すると文字になる式」での (関数名　評価すると文字になる式) では、以下のように記述することができます。

　　(toupper (tolower Y))

　「評価すると文字列になる式」の (関数名　評価すると文字列になる式) では、他の関数の引数に指定することはできません。

　　(toupper (tohankata か))

(関数名　モード名)
モード名は、モード定義表で宣言されたものでなければなりません。

関数名	機　　能
if	入力コードにのみ使用できます。引数であるモードが ON のときは、(if モード名) は空文字列になります。例: (if katakana)VU　ヴ
unless	入力コードにのみ使用できます。引数であるモードが OFF のときは、(unless モード名) は空文字列になります。例: (unless katakana)VU　ぶ
on	本処理の出力コードにのみ使用できます。引数であるモードを ON にします。例: (on katakana)
off	本処理の出力コードにのみ使用できます。引数であるモードを OFF にします。例: (off katakana)
switch	本処理の出力コードにのみ使用できます。引数であるモードが ON のときに OFF に、OFF のときに ON にします。例: (switch katakana)

(関数名)
関数名は、本処理の出力コードにのみ使用できます。

　関数名　　　　　機　　能

allon すべてのモードを ON にします。

alloff すべてのモードを OFF にします。

(2) 機能

本処理にのみ使用できる機能には、以下のようなものがあります。それぞれ単独で使用します。

　　記　述　　　　　機　　能

(error) 入力コードに設定されたコードが入力されると、エラーと見なします。

(restart) 前回のモード定義表を読み込み直して、変数の再設定を行います。新しい変換表にエラーがあれば、エラーメッセージを出力した後、元の変換表の設定に戻します。

(3) 変数宣言

評価すると文字になる式として、使用する変数とその変域の定義を行います。使用する変数は、その表の中で必ず defvar で定義しなければなりません。

(defvar 変数表記 (list 文字表記 … … )) list は、それに続く引数の文字を変域とします。

(defvar 変数表記 (all)) all は、すべての文字を変域とします。

(defvar 変数表記 (between 文字表記 1 文字表記 2)) between は、コード順に並べたときに、文字表記 1 と文字表記 2 の間に含まれる文字（両端を含む）を変域とします。

　※変数表記は、変数名または(変数名 … …)を示します。
　　文字表記は。「評価すると文字になる式」の文字表記と同じです。

変数の定義は、その表全体で有効になります。1 つの表の中で、同じ変数名を 2 回以上使って defvar で宣言することはできません。ある表で a1 という変数を定義し、別の表で同時に a1 という変数を別仕様で定義できます。2 つの a1 という変数は別々に処理されます。

（例）

変数宣言は、同一パターンの変換が何通りもある場合に効果を発揮します。以下の例を参照してください。

(defvar　　a1 (list K S T H Y R W G Z D B P))
(a1)(a1)　　っ (a1)

上記の 2 行は、以下の記述と同じ変換を行います。
（ローマ字かな変換における促音処理です。）

KK　　っ　　K
SS　　っ　　S
TT　　っ　　T
HH　　っ　　H
YY　　っ　　Y
RR　　っ　　R
WW　　っ　　W
GG　　っ　　G
ZZ　　っ　　Z
DD　　っ　　D
BB　　っ　　B
PP　　っ　　P

変数宣言で行われた変域の文字について処理されます。

"(between A Z)" は "(list A B C .......X Y Z)" と同じです。

変数宣言の記述について、例を挙げて説明します。

対応表の 1 行の中で、同名の変数は常に同じ値を持ちます。

**（例）**
(defvar a1 (list A B)) (a1)(tolower (a1)) 3 　上記の場合、「Aa」「Bb」の文字列が「3」に変換されることになります。「Ab」「Ba」は変換されません。

入力コードと表の入力コード部とのマッチングは左から行われます。
このため、表の入力コード部を左から見ていくときに、ある変数が特定の文字にマッチされる前に関数の引数として出現することはできません。

**（例）**
(defvar a1 (list a b)) (a1)(toupper (a1))(a1) 3 上記の場合、「Aa」と入力しても「3」には変換されません。値が特定されていない状態で、(toupper (a1)) で、a1 が関数の引数になっているからです。このような誤った設定は、表の読み込み時にチェックされます。上記の場合は、以下のように訂正することができます。 (defvar a1 (list a b)) (a1) (toupper (a1)) 3 「aA」「bB」と入力すると、「3」に変換します。 (defvar a1 (list A B)) (a1)(tolower (a1)) 3 「Aa」「Bb」と入力すると、「3」に変換します。

変数を出力コード部分やバッファ残り部分に記述する場合も、入力コード部分に現れた（つまり、入力コードとのマッチングで何らかの値を代入された）変数でなければなりません。

**（例）**
(defvar a1 (list K S)) (defvar a2 (list a)) (a1)(a1)　(a2)　(a1) (1)　　　(2)　(3) (1) 入力コード部分 (2) 出力コード部分 (3) バッファ残り部分上記の場合、入力コード部分でマッチングが行われていない変数 a2 が出力コード部分に出現しているので、誤った設定になります。

対応表による変換方式

前処理
まず、入力されるコードを文字単位にまとめます（2 バイトコードの文字も 1 文字として扱われます）。これを入力コードといいます。
前処理では、入力コード 1 つに対して、出力コード 1 つが対応付けられます。この出力コードが本処理での入力コードになります。

前処理表の内、現在使用されている表の入力コード部分を上から順に見ていきます。
最初に実際の入力コードと合致したところで、その行の出力コード部分に当たるコードが出力されます。（注）
ただし、表が複数選択されている時は、モード定義表で先に参照されたものから見ていきます。

（注）
　実際の入力コードと合致するものが表中にない場合（表が 1 つも選択されていない場合を含む）には、入力コードがそのまま出力されます。これは、本処理・後処理においても同様の処理を行います。

本処理

本処理では、入力コードが表の入力コードの部分と合致する可能性がある（入力コード部分の先頭から何文字かは一致している状態である）限り、入力コードはバッファに追加されます。バッファに入力コードが追加されるごとに、本処理表の入力コードの部分を上から順に見ていってバッファと比較します。ここで、バッファの内容が表の入力コードの部分の最長のものと合致する可能性（入力コード部分に、先頭から何文字かは一致している状態）があれば、変換未確定となり、変換を行わずに次の入力コードを待ちます。ただし、画面処理などの都合上、バッファ内のコードは未確定文字として出力されます。その他、入力エラー、モード変更などを通知するコードも出力されます。これらの出力コードは本来の出力コードとは区別され、後処理は行われません。
　バッファの内容が表の入力コードの部分の最長のものと合致した場合（同じ長さのものがあれば先に見つかったものと合致します）、その出力コードが出力されます。バッファ残りの部分がなければ、バッファ内の合致した部分が消されます。あれば、バッファ内の合致した部分と入れ替わり、以上の操作が繰り返されます。

表に合致する可能性のあるものが見つからなかった場合、バッファの先頭の 1 文字がそのまま出力されます。合致したけれども、出力コード部分がモードの状態を変更する関数（on, off, switch など）である場合、使用される対応表がモード定義表の記述にしたがって変更されます。これらのモードを変える関数は、モードの状態（on, off）に関係なく、必ず使用される表に記述しておいてください。
また、機能の (restart) の入力コードの部分に合致した場合は、モード定義表そのものが再度読み込まれます。ただし、そのモード定義表は前回と同じファイルです。
　この機能を使用することで、オートマトンの使用中に修正した変換表（モード定義表を含む）を、オートマトンを終了せずに変換内容を変えることができます。

後処理
1 つのコードに対して、1 つ以上の出力コードを最終出力として出力します。
出力コードが１つ以上出力されることを除けば、『前処理』と同じです。

（例）
　以下の例は、「Ls」または「LS」を入力したときに、「ls -la [改行]」が出力される、という、前処理・本処理・後処理の各表を記述したものです。

前処理表

(defvar a1 (list s))
(a1)(toupper (a1))

本処理表

LS "ls -la ¥n"

後処理表

(defvar a1 (all))
(a1)(tolower (a1))

4.ローマ字かな変換定義表

ローマ字かな変換の設定を行います。

形式:

/usr/local/lib/wnn6/ja_JP/rk/2B_ROMKANA

2B_ROMKANA は以下のような書式で作成します。

書式
ローマ字　かなローマ字　かなローマ字　かな　・　　　・　・　　　・　・　　　・

ローマ字とかなの間には [SPACE] または [TAB] キーを入力して区切ります。 1 行中で、";" 以降はコメントとなります。

（例）
　2B_ROMKANA の記述例を以下に示します。

A　　あ　　
I　　い　　
U　　う　　
E　　お　　
　・　　　
　・　　　
　・　　　

下線部分を例にとると、"A" キーの入力で「あ」に変換することになります。

2B_ROMKANA ファイルの記述方法を以下に示します。

（例）
(defvar　q1　(list B M P))
M(q1)　ん　(q1)

M キーの次に B M P のいずれかのキーが入力された場合に、 "M" を「ん」に変換します。さらに、入力された文字が未確定文字列になります。

（例）
(defvar aa (list K S T H Y R W G Z D B P C F J V))
(aa)(aa)　っ　(aa)

K S T H Y R W G Z D B P C F J V キーの中で、連続してキーが入力された場合、1 文字目を「っ」に変換します。さらに、入力された文字が未確定文字列になります。

（例）
TCH　っ　CH

TCH とキー入力した場合、"T" を「っ」に変換します。さらに、"CH" が未確定文字列になります。

（例）
(defvar alpha (between A Z))
(alpha)　(error)

A から Z までの文字が単独であらわれた場合はエラーとなります。

機能外エントリ名	機能 / 設定方法
include	指定された uumkey ファイルに記述してあるキーバインド設定を行います。 include 先で、重複して機能エントリの定義をした場合は後の方の定義を採用します。初期設定の uumkey ファイルを、1 部だけ変更して使用する場合には、初期設定の uumkey ファイルを include して、変更部分のみを記述します。
include	include uumkey ファイル名　下線部分には、ファイル名が入ります。
unset	指定されたエントリに対して、既出の設定を取り消します。
unset	unset エントリ名　下線部分には、エントリ名が入ります。

モード番号	かな漢字変換操作の状態
0	変換後の変換結果を修正しているモード
1	変換前の文字を入力しているモード
2	変換後に文節の長さを伸縮するモード
3	バッファが空の状態のモード
4	候補選択のモード（次候補選択、辞書操作・登録選択時の品詞、辞書選択など）

機能エントリ名 / モード	機　　能
henkan_on keycodes	変換モードの ON/OFF を変更します。（注 1）全モードで適用されます。
0 1 2 3 4
quote_keyin keycodes	次の入力文字を quote します。全モードで適用されます。 kenkan_on でバインドされたキーコードを入力するための非常手段として用意しています。
0 1 2 3 4
send_string keycodes	変換行内の文字列に、バインドされているキーコードを付け加えた文字列をアプリケーションへ送ります。
0 1 2
kakutei keycodes	変換行内の文字列をアプリケーションへ送ります。
0 1 2
forward_char keycodes	1 文字右へカーソル。移動します。
1
backward_char keycodes	1 文字左へカーソル。移動します。（注 2）
1

キー	受け取るコード
[PF1] [PF2] [PF3] [PF4] → ← ↓ ↑	0x81 0x82 0x83 0x84 0x90 0x91 0x92 0x93

エントリ名	機能／設定方法
okuri_kijun	送り基準処理規則を指定します。〈送りがなのみ異なる候補（例:行う、行なう）の変換を行うとき、指定された法則（本則・送る・送らない）に一致する候補を最初に提示する処理です〉本則候補を提示する場合は REGULATION 、送る候補を提示する場合は YES 、送らない候補を提示する場合は NO を指定します。
	okuri_kijun　REGULATION / YES　/ NO 下線部分には、REGULATION YES NO のいずれかが入ります。
settou_kouho	接頭語初期候補を指定します。ひらがなの候補を提示する場合は HIRAGANA、漢字の候補を提示する場合は、KANJI を指定します。
	settou_kouho HIRAGANA / KANJI 下線部分には、HIRAGANA KANJI のいずれかが入ります。
rendaku	連濁処理を行うかを指定します。〈連濁する候補（例:会社「がいしゃ」）を最初に提示しない処理です〉連濁処理を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSEを指定します。
	rendaku TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
yuragi	長音・揺らぎ処理を行うかを指定します。〈長音・揺らぎを含む読み（例:「ほーほー」→方法、「こうり」→氷）で変換を行います〉。長音・揺らぎ処理を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSEを指定します。
	yuragi TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
okuri_gakusyu	送り基準学習を行うかを指定します。〈直前に確定した送り基準法則を学習し、次回の変換に反映します〉。送り基準学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSE を指定します。
	okuri_gakusyu TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
settou_gakusyu	接頭語学習を行うかを指定します。〈直前に確定した接頭語候補情報（ひらがな・漢字）を学習し、次回の変換に反映します〉。接頭語学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSEを指定します。
	settou_gakusyu TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
setubi_gakusyu	接尾語学習を行うかを指定します。〈直前に確定した接尾語候補情報（送る・送らない）を学習し、次回の変換に反映します〉。接頭語学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSE を指定します。
	setubi_gakusyu TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
hanyou_gakusyu	一般語学習を行うかを指定します。〈直前に確定した一般語候補情報（ひらがな・カタカナ・漢字）を学習し、次回の変換に反映します〉。一般語学習を行う場合は TRUE 、行わない場合は FALSE を指定します。
	hanyou_gakusyu TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
hindo_kakuritu	Wnn6 の頻度学習方法を指定します。すぐに学習する場合は HIGH、普通学習の場合は NORMAL、スローで学習する場合は LOW 、必ず学習する場合は ALWAYS 、学習しない場合は NOT　を指定します。
	hindo_kakuritu NOT / ALWAYS / HIGH / NORMAL / LOW 下線部分には、NOT ALWAYS HIGH NORMAL LOW のいずれかが入ります。
fi_hindo_kakuritu	FI 関係頻度上昇学習方法を指定します。すぐに学習する場合は HIGH、普通学習の場合は NORMAL スローで学習する場合は LOW 、必ず学習する場合は ALWAYS 、学習しない場合は NOT　を指定します。
	fi_hindo_kakuritu　NOT / ALWAYS / HIGH / NORMAL / LOW 下線部分には、NOT ALWAYS HIGH NORMAL LOW のいずれかが入ります。
use_hinsi	変換に使用する品詞名のリストを記述します。
	use_hinsi 品詞名1 品詞名2 品詞名3 … 下線部分には、品詞名が入ります。それぞれの品詞名は、[SPACE] または [TAB] で区切ります。
unuse_hinsi	変換に使用しない品詞名のリストを記述します。
	unuse_hinsi 品詞名1 品詞名2 品詞名3 … 下線部分には、品詞名が入ります。それぞれの品詞名は、[SPACE] または [TAB] で区切ります。
giji_number	疑似数字の変換初期候補を指定します。単位付きの漢数字を提示する場合は KANSUUJI、単位付きの旧漢数字を提示する場合は KANOLD、カンマ付きの半角数字を提示する場合は HANCAN、カンマ付きの全角数字を提示する場合は ZENCAN、カンマ無しの半角数字を提示する場合は HAN、カンマ無しの全角数字を提示する場合は ZEN、単位無しの漢数字を提示する場合は KAN を指定します。
	giji_number KANSUUJI / KANOLD / HANCAN / ZENCAN / HAN / ZEN / KAN 下線部分には、KANSUUJI KANOLD HANCAN ZENCAN HAN ZEN KAN のいずれかが入ります。
giji_eisuu	疑似アルファベットの変換初期候補を指定します。半角を提示する場合は HAN、全角を提示する場合は ZEN を指定します。
	giji_eisuu HAN / ZEN 下線部分には、HAN ZEN のいずれかが入ります。
giji_kigou	疑似記号の変換初期候補を指定します。半角を提示する場合は HAN、JIS 候補を提示する場合は JIS、ASCII 候補を提示する場合は ASC を指定します。
	giji_kigou HAN / JIS / ASC 　下線部分には、HAN JIS ASC のいずれかが入ります。
kutouten	句読点入力モードを指定します。「、」「。」を提示する場合は TRUE、「,」「.」を提示する場合は FALSE を指定します。
	kutouten TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
kakko	括弧入力モードを指定します。 "「」" を提示する場合は TRUE、"[ ]"を提示する場合は FALSE を指定します。
	kakko TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。
kigou	記号入力モードを指定します。「・」を提示する場合は TRUE、「／」を提示する場合は FALSE を指定します。
	kigou TRUE / FALSE 　下線部分には、TRUE FALSE のいずれかが入ります。

@HOME	環境変数 HOME の値を示します。
@MODEDIR	モード定義表が存在するディレクトリを示します。
@LIBDIR	初期設定してある変換表が存在するディレクトリを示します。 (/usr/local/lib/wnn6/)
‾user	user で指定されたユーザ名の、login ディレクトリを示します。
‾	login ユーザの login ディレクトリを示します。

エントリ名	機能 / 設定方法
defmode	モードの宣言を行います。モード名には英数字を使用します。初期設定には、"on" または "off" を指定します。省略時には "off" がセットされます。強制ローマ字変換モード設定とは、ローマ字かな変換用のモードをオートマトンに認識させるための設定を行います。"r" または "nr" を指定します。省略時には "nr" が設定されます。 "r" に設定されているモードは、[PF6] などでひらがな変換を行うときに、現在のモードに関わらず使用されます。モード宣言は、そのモードを使用する前に行います。
defmode	defmode　モード名　初期設定　強制ローマ字変換モード設定下線部分に、モード名と初期設定値を指定します。
search	モード定義表で指定される対応表がモード定義表と同一のディレクトリ下にない場合、検索するディレクトリを指定します。ディレクトリ名は、[SPACE] で区切って複数指定することができます。当エントリは、対応表の指定より前に記述（指定）されていなければなりません。モード名には英数字を使用します。
search	search　ディレクトリ名（複数個可）下線部分にディレクトリパス名を指定します。
path	対応表を検索するためにすでに設定されているディレクトリ名をバッファから削除して、当エントリの引数で渡されたディレクトリをあらたに検索するようにします。ディレクトリ名は [SPACE] で区切って複数指定することができます。当エントリは、対応表の指定より前に記述（指定）されていなければなりません。
path	path ディレクトリ名（複数個可）下線部分にディレクトリパス名を指定します。

	文　　法
if	条件式が真であれば、条件式に続く指定を参照し、if 文の次の指定は参照しません。条件式が偽であれば、if 文の次の指定を参照します。
if	(if (条件式)　　　　　　　　　　　　　　　… (1) 　　(対応表またはモード表示文字列の指定)) … (2) (対応表またはモード表示文字列の指定)　　　… (3) (1) の条件式が真のとき、(2) の指定が有効になり、(3) は無効となります。 (1) の条件式が偽のとき、(2) の指定が無効になり、(3) は有効となります。
when	条件式が真であれば、条件式に続く指定を参照します。条件式が偽であれば、when 文の次の指定を参照します。また、when 文は if 文と異なり、条件式の真偽に関わらず、次の指定を参照します。
when	(when (条件式)　　　　　　　　　　　　　　… (1) 　　(対応表またはモード表示文字列の指定)) … (2) (対応表またはモード表示文字列の指定)　　　… (3) (1) の条件式が真のとき、(2) と (3) が指定が有効になります。 (1) の条件式が偽のとき、(2) の指定が無効になり、(3) だけが有効となります。

式（モード）	式の値
(and 条件式　条件式)	2 つの条件式が真のとき、真
(or 条件式　条件式)	どちらかの条件式が真のとき、真
(not 条件式)	条件式が偽のとき、真
(false)	常に偽
(true)	常に真

"string"	変換が ON のときのモード表示文字列を示します。
(on_dispmode "string")	変換が ON のときのモード表示文字列を示します。
(off_dispmode "string")	変換が OFF のときのモード表示文字列を示します。
(on_unchg)	変換が ON のときのモード表示文字列を、モード変更する前と同じモード表示文字列で示します。
(off_unchg)	変換が OFF のときのモード表示文字列を、モード変更する前と同じモード表示文字列で示します。

式	注　釈
入力コード　[出力コード　[バッファ残り]]	「出力コード」と「バッファ残り」の省略時には NULL STRING として扱われます。
入力コード　機能	本処理に対応します。前処理、後処理には適応しません。
変数宣言	式に使用する変数およびその変域の定義を行います。

関数名	機　　能
allon	すべてのモードを ON にします。
alloff	すべてのモードを OFF にします。

記　述	機　　能
(error)	入力コードに設定されたコードが入力されると、エラーと見なします。
(restart)	前回のモード定義表を読み込み直して、変数の再設定を行います。新しい変換表にエラーがあれば、エラーメッセージを出力した後、元の変換表の設定に戻します。

(defvar 変数表記 (list 文字表記 … … ))	list は、それに続く引数の文字を変域とします。
(defvar 変数表記 (all))	all は、すべての文字を変域とします。
(defvar 変数表記 (between 文字表記 1 文字表記 2))	between は、コード順に並べたときに、文字表記 1 と文字表記 2 の間に含まれる文字（両端を含む）を変域とします。

Wnn6 の動作環境

1.キーバインドの設定

1.1 uumkey

1.2 キーコード定義

(1) 2A_CTRL

(2) cvt_key_tbl

(3) cvt_xim_tbl

2.かな漢字変換環境の設定

3.オートマトン

3.1 オートマトンの概要

3.2 モード定義表

3.3 対応表

(1) 入力コード / 出力コード

(2) 機能

(3) 変数宣言

4.ローマ字かな変換定義表