cygwinを使ってみよう!

 メールはWindowsで読みたいけれど研究をするのにはUNIX/Linuxを使いたい、でもLinuxの設定は難しいし、とりあえずLinuxを体験してみたいと言う人は是非cygwinを入れてみてください。Windows上でUNIX/Linuxの練習ができますし、講座のUNIXマシンにログインして研究をすることももちろんできます。
 Tera Term + Astec X でもできます。しかし、Tera Termを使う方法だと、暗号化するためのプロトコルはSSH1しか使えないと思います(たぶん)。cygwinを使いopensshをインストールすれば、より安全と言われているSSH2を使うことができます。これもcygwinを使う大きなメリットだと思います。


まずはインストールから

インストールはクリックしていくだけなので簡単です。オプションでいろいろなソフトがインストールできますが、よくわからない場合は、以下の説明のように選べば、とりあえずは十分だと思います。

バージョンアップも以下の2.以降の手順で行います。
  1. setup.exeをダウンロードする。
    インストールやバージョンアップはこの"setup.exe"を用いて行います。
    まず、cygwinのホームページ http://www.cygwin.com/ に行きます。
    そしてをクリックします。
    保存するかどうか聞いてくるので「保存」を選択し、保存場所はデスクトップにします。
  2. ダウンロードした"setup.exe"をダブルクリックすると、下のような画面が出てきます。「次へ」をクリックします。
  3. 「Install from Internet」を選択し、「次へ」をクリックします。
  4. そのまま「次へ」を選択します。(root directoryの場所を変えたい場合はここで変更します。)
  5. パッケージ群を保存するフォルダを指定し「次へ」をクリックします。保存先は表示されているままでいいと思います。一部文字化けしていますが、問題ありません。デフォルトではデスクトップに保存されるようになっています。
  6. これはどれを設定しても構いませんが、よくわからない場合は「Use IE5 Settings」でいいでしょう。
  7. 次はダウンロード元を選びます。つまりどのサイトからダウンロードするかです。基本的にはどこでもいいですが、比較的近いところ(**.ac.jpや**.jp)がいいと思います。選択後、「次へ」をクリックします。

  8. パッケージを選ぶ場面になりました。これからインストールするパッケージを選んでいきます。何が何だかよくわからなければ、とりあえず以下に示すものだけをインストールしましょう。
    とりあえずインストールするパッケージ群
    cygwinを動かすのに最低限のものは初めから選択されています。デフォルトで選択されていなくて、研究に必要なもの、あったらいいものは手動でインストールします。文字の左にある「+」を押すと、パッケージの一覧が見れます。文字の間にある矢印付き○をクリックすることで、インストール、アンインストール、Skip、バージョンアップを選びます。
    1. openssh
      講座のUNIX/Linux計算機にアクセスする時は、sshという暗号化機能を使います。以下の図で示してあるように"openssh"と"openssl"群を選択します。"New"欄をクリックすれば、最新のバージョン番号が示されます。これでインストールされる状態になります。(この画面はバージョンアップ時なので、新規インストール時は少し表示が異なるかもしれません。)
    2. tcsh
      shellの一種です。講座のUNIX/Linuxマシンではデフォルトに設定してあるものが多いです。インストールしておいてもよいでしょう。"Shells"の欄にあります。bashは初めから選択されているはずです。
    3. XFree86
      opensshをインストールすれば、安全に講座UNIX/Linuxマシンにログインできます。しかし、ログイン先のマシンで起動したエディタやGhostviewなどの画面を、自分のマシンに映し出すことはできません。これを可能にするためにはX-serverとWindow Managerをインストールする必要があります。これらは"XFree86"欄にあります。

      いろいろ選択するものがあります。パッケージの意味をよくご存じの人は各自選択してください。

      よくわからないという人は、まず"XFree86-base"というのを選択しましょう。選択すると自動的に他のいくつかのパッケージも選択されると思います。
      次に"XFree86-xserv"を選択します(これがX Serverです)。
      最後にWindow Managerを選びます。このcygwinのsetup.exeでは、「fvwm」、「openbox」、「Window Maker」の3つのManagerを選ぶことができます。どれでも構いませんが、上に並べた順に重くなります。メモリが少ないマシンの場合は「fvwm」か「openbox」がいいでしょう。ただ画面の綺麗さは「Window Maker」が一番いいと思います。下の図では「openbox」を選択しています。

      すべて選択が終われば「次へ」をクリックします。
    4. vi 、 emacs
      ファイルを編集するために必要なソフトです。
      vi はterm上でできる便利なエディタですが、使用方法がややこしいので敬遠する人もいると思います。
      emacsはほぼ普通のワープロと同じように使えます。
      これらはEditorsから選択します。
  9. ダウンロードやインストールが行われます。しばらくするとアイコンをデスクトップに作るかを聞かれるので、チェックボックスにチェックをし、「完了」を押せばインストール完了です。

実際に使ってみよう

インストールが完了すれば、デスクトップ上にの下にcygwinと書いてあるアイコンができているはずです。
cygwinの起動はこのボタンから始めると簡単です。
起動すると下のような画面が出てきます。


この画面(Termといいます)の上でコマンドを入力していきます。UNIX/Linuxと同じです。

cygwin上から見たrootディレクトリ(一番上のディレクトリ)は、WindowsのC:\cygwinになります。従って$ cd .. で戻ってもWindowsのCドライブまでは戻れません。

cygwinからWindowsの各ドライブを参照したり、各ドライブに進んでファイルを実行したりしたい時は次のようにします。

  $ cd /cygdrive/c/....

/cygdrive/c/以下に行きたいディレクトリやファイルを入力すればOKです。
CD-ROMドライブや外付けHDへも
 
  $ cd /cygdrive/d/ や $ cd /cygdrive/e

などでアクセスできます。

この機能を駆使すれば、Windowsにあるプログラム(pLaTeXやdvioutなど)をcygwin上から起動させることが可能です。


講座のUNIX/Linuxマシンで研究をするためには

講座のUNIX/Linuxマシンへログインして、ログイン先で起動させた画面を表示させながら仕事をするためには、XのWindow Managerを立ち上げる必要があります。

まず、cygwinのtermから

  $ startxwin.sh

と入力しEnterを押します。
すると、Window Managerが立ち上がります(下図はopenbox)。Window Managerの変更方法はこちらを参照してください。この画面はWindowsのウィンドウなので、最小化もできます。


次にコマンドを入力するTermを表示させます。
初めから表示されていない場合は、右クリックから"Xterm"というのを選択してください。
openboxの場合は下図のようになります。


この画面にコマンドを入力していきますが、デフォルトではキーボードがUNIX対応になっているので、記号などはキーボードの配置と違う文字が入力されると思います。この不具合を直すための設定はこちらを参考にして、設定変更をしてみてください。


いよいよ講座UNIX/Linuxマシンにログインする段階に来ました。

  $ ssh -X [ユーザー名]@[マシンのIPアドレス]

と入力します。例えば、steps0kuにログインしたい場合は

  $ ssh -X keika@10.226.83.250

とします。
(アドレスは登録できます。上記のコマンド事態を登録することもできます。詳しくはUNIX/Linuxの本を見るか、近くの先輩に聞いてください。)


ログインができたら、試しに

  $ emacs &

とか

  $ netscape &

などとコマンドを打ってみてください。
ログイン先で起動されたWindowが、自分のマシンに表示されるはずです。
これで、講座UNIX/Linuxマシンを使って、自分のマシン上で研究ができます。