Pi2型地磁気脈動の統計的解析


ここからは具体的な話になります。頑張ってついてきてください。

前のページでは例として柿岡のデータをお見せしましたが、Pi2は柿岡だけで見られるのではなく、地球上様々な場所で見ることができます。ですが、全てが同時に見れるというわけではなく、多少の時間差があります。そこで、この時間差に着目してPi2脈動の伝播特性を見ていこうとしています。
まずは今回使用させて頂いたデータについて簡単に説明します。私の研究では中低緯度に位置する柿岡・女満別・鹿屋・Crozet・Port Aux Francaisのデータを使用しました。柿岡・女満別・鹿屋のデータは1秒値、Crozet・Port Aux Francaisについては2秒値を2回並べて作った1秒値を使用しています。それぞれの観測点の場所はこちらに示しておきます。ウルムチについては、今後使っていく予定です。また、ウルムチ以外のデータは全て世界地磁気センターから見ることができます。ここの詳しい説明はそちらを参考にしてください。
続いて上記のデータからPi2脈動を選出するわけですが、これはWavelet解析を用いています。現在、地磁気センターでは峰山のデータからリアルタイムでPi2を検出しているのですが、そのプログラムに多少手を加えて使わせて頂いています。
それでは、Waveletを使って選出されたイベントに対してそれぞれで観測されたPi2脈動の時間差(位相差)を求めましょう。ここで問題になるのは発生した時刻ですが、これは簡単には決まりません(データを見て頂けると分かると思います)。ですが、今必要なのは時間差です。そこで、2地点のデータに対して相互相関を取り、その値が最大になるところを時間差と定義しました。ただし、相関があまりにも小さいものはここで除外しています。
このようにして求めた時間差についてLocal Time 依存性を成分ごとに調べました。
また、それぞれの観測点において周波数のLocal Time 依存性についても調べました。

今までの結果をまとめて、「地球惑星科学関連学会 2001年 合同大会」で6月8日に発表しました。 以下にその時のポスターをのせておきます。参考にしてください。

2001年 合同学会 ポスター
この発表では緯度方向の依存性がテーマになっています。

また新しく結果が出たら報告します。

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