最後の旅 〜強制送還?の章〜

(2003/03/05) 執筆


ニューメキシコ州(NM、New Mexico)



アリゾナ州のさらに隣。まじで荒野。
エンストしたら100%死ぬ。
核実験の資料映像を見たことがあるだろうか??
果てしなく続く無人の荒野から、突如立ち上るキノコ雲・・・。
あの資料映像に出てくるような不毛の大地である。


・・・と思ってたら、ホンマにそうやったらしい!


ホワイト・サンズ(White Sands)という、その名の通り真っ白な砂丘がある。
ソリを持ってこなかったことをつくづく後悔した。それぐらい素晴らしい場所。
なのだが・・・・・
実は、この近くに「ホワイト・サンズ・ロケット実験場」みたいな施設がある。
1945年、人類初の核爆発実験がここで行われたそうだ。
その後、”リトルボーイ”と”ファットマン”がここで製造され、
ヒロシマとナガサキにそれぞれ投下されることとなる・・・。
戦後はアポロ計画の月面車や、今はなきスペースシャトルの第一号機
”コロンビア号”の実験などが、このNMの荒野で行われたらしい。


・・・・・なんか怖い感じのところだ。
そういうわけで、軍関係のこととかでいろいろ厳しいのだろうか、
ハイウェイ上で検問所みたいなものに始めてひっかかった。


さて。基本的に、


 アメリカ市民ではない外国人は、いつ何時でもいかなる場合でも
 そのステータスを証明できるもの(パスポート、IAP-66など)を
 携帯しておかなければならない。


ええ、知ってますとも・・・


うん、知ってるんだけどね・・・・・
知ってるんだけど、旅先で失くしたら嫌だし、何より面倒くさい。
だから、運転免許を手に入れた後は、ほったらかしだったのです。
まさか、ニューメキシコにこんな軍施設があるとは夢にも思わず・・・


検問 「US Citizen(市民)ですか?」


「イエス」と答えると素通りできたんだろうが、万が一を考えて正直に


 「ノー」


日本人であること。J-1ビザで国内滞在中などのことを説明する。


検問 「ビザを・・・」
 (ドキッ!!)「・・・わ、忘れました」
検問 「・・・・・ちょっと、車をそちらに寄せなさい。」
  (やべっ)「う、ういっす」


免許証を渡すと、「ちょっと待ってろ」と言い残し小屋の中に入ってしまった。
その間、他の市民たちはサクサク通過、のみつかまってる。


   「クスクス・・・誰? プルオーバーしてるの?」
   「何? あの日本人・・・超かっこわりー」


そんな心の声が聞こえてきそうです・・・・・数分後


検問 「よう。なんで持ってこなかったんだ?? 基本的に違法だぞ!」


           イリーガル!

             イリーガル!

              イリーガル!

               イリーガル!



俺 (ひぃぃっ)

俺  「Driver's License だけで充分だと思ってました・・・」
検問 「そう。Driver's License があれば運転はしてよろしい。
     しかし!! どこへ行くにも、君はステータスを
     証明できるものを携帯しておかなければならない。
     今、あなたは明らかに違法な状態です。
     免許の情報をコンピューターにかけて照合したら、
     キミの言うとおりだったからよかったものの・・・・・
     もし、何らかのトラブルで照合できてなかったら、
     お巡りさんはここで今すぐキミを逮捕して、
     本国に強制送還しなければならんとこだったぞ!!」




俺 そりゃいい!!
   どうせあと2週間だし・・・
   飛行機代が浮くじゃん♪




  「ア、アイムソーリー・・・I'm so sorry (半泣き)」


皆さん、パスポートは忘れずに。
それから事態を悪化させないように、質問には正直に答えましょう。
(・・・しかし、ネタに喜ぶ傾向は何とかならんか?)


END