すごいすごいはすごくない

(2003/02/04) 執筆

人間は喋るだけではなく、手や指でも「表現」することができます。
古くはVサイン、今ではアメリカン・ホームダイレクトなどでしょうか。
あるいは中指・・・人前で中指を立てることは控えた方がよいでしょう。
間違っても、革ジャンで鎖をジャラジャラさせたコワいお兄さんたちの
前ではやってはなりません。2秒後にはアノ世に行っていることでしょう。


さて、「THUMB」という単語があります。
ご存知の通り「親指」という意味です。
では、「THUMBS-UP」というのは何を表すのでしょうか?
言うまでもなく、







であります。逆に「THUMBS-DOWN」はどうでしょうか?







であります。
それでは、「TWO THUMBS-UP」はどうでしょうか?
ただの「THUMBS-UP」では足りないのです。
その2倍なのです。すなわち・・・・・







「すげ〜!」「イカス!」「ク〜ル!」
そう。「TWO THUMBS-UP」は最大級の賞賛であります。
この評価をもらうことは何物にも勝る最高の栄誉である・・・はずです。
が、実際は違うのです。悲しいかな、すばらしくないのです。


実はこの表現を最も目にするのはLA Timesの新作映画の広告です。
多くの新作映画が「TWO THUMBS-UP」の冠をかぶっているのです。
しかし!!だまされてはなりません。そんな映画ほどつまりません!!
それは、英語がわからないせいでもありましょう。
でも、毎週頭に紙面で発表される「売り上げ状況」は私でもわかります。
成績と広告を比較検討した得られた研究結果を今ここに発表します。
・・・・・「一般的に TWO THUMBS-UP はしょぼい」。いわゆる、


すごい すごいは すごくない


の法則です。
世の中には「すごい!」を連発する人、何かというと「すごい」という人がいますが、
あれは全部ウソです。口先だけです。この法則はここアメリカでもあてはまります。
「TWO THUMBS-UP」を信じてはなりません。
あるいは、品物の広告でよく見るフレーズ

         MUST SEE!

・・・・・もうひどいです。見ないと逮捕されそうな勢いです。
しかし、見なくても大丈夫です。バカ正直に見に行く必要はありません。
誰も捕まえに来やしません。大袈裟な広告は厳につつしむべしです。
京都を南に行く国道一号線沿いには

「日本で2番目にうまい焼き肉屋」(安いやったかもしれん)

という看板があります。少しはこの謙虚さを見習って欲しいものです。


END