俺様を勧誘しても無駄やで

(2002/11/06) 執筆

サンタモニカ サード・ストリート・プロムナードというのは、
夜でも人通りの絶えない全米でも珍しい場所であり、週末ともなると
観光客・パフォーマー・ホームレスなどでごった返すような楽しい場所である。
しかし、一つだけ困ったことがある。
それは、実は4月からあったのだが、歩いているとよく声をかけられることである。
といっても、逆ナンでもなければ、ホモ・ナンパでもない。
ここでいう「敵」とは、「宗教勧誘」
そう、例のあれだ。そして、敵のほとんどが日本人である。
こちらが日本人と知って寄ってくるのだが、彼らの手口はこんな感じだ。


まず、(わざわざ英語で)「ちょっと質問してもいいですか?」と聞いてくる。
敵の顔をみてしまうとすかさず「この中で興味があるのはどれですか?」
といくつか選択肢を書いた関口メモのようなものを見せてくる。


   選択肢
   1.福祉  2.戦争  3.健康 ・・・・・・などなど


初めて声をかけられたとき(4月)、日本人が恋しかったのか
思わず立ち止まり真剣に考えてしまったのだが、
それこそ彼らの作戦なのだろう。
そのうち、敵は「部屋(本部?)で話しませんか?」と言ってくる。
完全に警戒モードに入る俺。「団体名は?」と聞いてみると、
すかさず関口メモを裏返す敵(用意周到な人たちだ)。
そこに書いてあるのは、


「Principle Research Association」 (or Society ? 忘れた)


なるほど、そういうことか。しかし、あからさまやな君たち。
そこで、「どんなことしてる団体ですか?」と意地悪な質問をしてみる俺。
すると、敵は「ボランティアみたいなものです」との返答。
・・・・・・・・・・・・・・フッ、そんなバカな・・・・・。
団体名がそのまんまやんけ・・・中学生でも訳せるぞ・・・すなわち、


          GEN・RI・KEN・KYU・KAI


              あるいは


           とーいつきょーかい


そういえば、京大にも勧誘員がたくさんいたなあ・・・。
思わず昔を思い出して切ない気持ちになってしまったぞ。


ま、そんな感じで、俺はこれまで何度となく声をかけられてきている。
冗談ではなく30回ぐらいは遭遇していると思う。
敵はほとんど日本人だが、たまに外人もいるのは少し驚きである。
プロムナードは南北3ブロックあるのだが、南端から北端まで
歩く5分間ほどの間に、2回声をかけられたこともある。
特に夏休みは本土(日本)から増援が来たのか、ひどかった。
それにしても・・・・・


君たちの目はふしあなか?


おそらく俺は君たちの仲間になる地球上で最後の人間だぞ。


俺が信じるのは「俺様」だけだ


なぜ、俺様が他の教祖様を崇めなければならないのだ?
むしろ、俺自ら宗教法人を作って、大金持ちになろうと考えているぐらいやからな。


勧誘されるのは俺じゃない、君たちのほうだ


最初の頃は、「この中のどれに興味がありますか?」と訊かれた時
「もうこの同じ質問されるの5回目だから・・・」とか言って断ってきたが、
夏休みの時期になると、敵に訊かれる前にこちらから
「今日は3番・・・いや、やっぱ4番にしとくわ。ほんじゃ!」
と、さわやかに対応するようになってきた。最近はもう無視してる。
サンタモニカには、一人、何度も見かける古参の勧誘員がいるのだが、
最近は遭遇するとハナから勧誘は諦めているようで、
「やあ、久しぶり。元気でやってますか?」などと言ってくる始末。
こちらも発声こそしないが、「あんたも大変やなあ」みたいな表情で
軽く会釈を返すという感じ・・・もう訳の分からん関係である。


それにしても、団体名は律儀につけてるくせに、口の方は嘘つきやな。
そんな自称ボランティアの方々へ最後の一言を与える。


       俺は嘘をつく奴は嫌いだ


とりあえず、サンタモニカでは「勧誘」に気をつけましょう。
それにしても、最近ムカつくことが多かったので、久しぶりに吠えてすっきりした。


END