俺様は貴様を説明できない

(2002/09/25) 執筆

サンタモニカでは最低一日一組は日本人観光客を見かける。
UCLAにいれば女子高生を目撃することだってある。
とにかく観光客ヘブンである。
たまにウンザリするが、かくいう俺も350泊352日の観光旅行を
しているようなものなので、人のことは言えない。
LAはまぎれもなく観光都市である。観光都市「京都」にも住んでいた俺は
このままツアーコンダクターになろうかと真剣に考えているぐらいだ。


さて、LAの観光地ではよくカタコトの日本語で話しかけられる。
そしてその観光度が上がれば上がるほど日本語がうまくなる。
ユニバーサルスタジオ近くの Universal City Walk では
「どうぞ見て行って下さい」という、なかなかハイレベルな表現を聞いた。
近所のデニーズのおやじですら「ありがとう」ぐらいは言える。
LA全人口の60%が「ありがとう」を知っているという統計もある(ない)。


ただ、店などで日本語で喋りかけられた時、別に悪い気もしないので
褒めてあげるのだが、これが冷静に考えると妙なのだ。

 店員 : 「ドモ アリガトウ」
  俺 : 「Yeah ! Very good. You speak Japanese.」
 店員 : 「チョッ、チョトダケ・・・」

  ・・・なぜ日本人の俺が英語を使って、
  外人の店員が日本語を使ってるんだ?



日本語で話しかけられなくとも、怪しい日本語看板はよく見かける。
例えば「マリナ・デル・レイ」という世界有数のヨットハーバー、
そこのフィッシャーマンズ・ビレッジには、小文字を知らない人が
書いたのか「カリフオルニヤ・シエーク」という変な看板がある。
(中身はただのマックシェーク)。

ちなみに、このハーバーには、ハリウッドスターたちのクルーザーも
多く係留されているらしい。ああ、海の不動産「クルーザー」・・・
・・・ダンディズムの極致ですな。
「松方弘樹、世界を釣る」みたいなことをしてみたいぞ。


話が少しそれたが、日本語の話である。
英語で使うのは、たかだか26アルファベット。
それに対して、日本語は漢字もひらがなもカタカナも使う。
客観的に考えて世界一難しい言語ではないのか?
もし、俺がアメリカ人で第二外国語を選べと言われたら
日本語は絶対に選ばない。こんな難しい言語は嫌だ。


例えば、「貴族」というのは高い位にいる人だ。
そして、「〜様」というのも目上の人に使う敬語だ。
それじゃあ何故「貴様」というのが乱暴な言葉なのだ?
むしろ最高敬語ではないのか?
・・・万が一、外人にこんな質問をされても俺には答えることができない。
つーか、日本人相手にすら答えるのは無理だ。知ってる人は教えてくれ。


やはり、日本語は難しいのだ。
そんな日本語を使いこなせる我々はすごいのだ
・・・・と、英語が苦手な自分を慰めてみる(おっと危ない表現だ)。


END