(2002/05/15) 執筆

日系コミュニティ(「NIPPON in L.A.」の巻)に限らず、「NIPPON」はあちこちで触れ合える。
それは「SUSHI」を筆頭とする食文化であったり、町で見かける漢字であったり、
TVから流れる日本語放送であったりする。
・・・ しかし ・・・
時にそれは思いもよらぬ方向からドラゴンフィッシュブローの如く飛んでくる・・・


サンタモニカ・ビーチから南へ行くと、すぐにベニス(Venice)というところに着く。
ここの遊歩道も賑やかで、ストリートパフォーマー、Tシャツ屋、グラサン屋、アート屋、
マッサージ屋など、商店街系のゴチャッとした雰囲気が俺好みである。
また、よく見かけるのが「HENNA TATTOO」・・・ 「変なタトゥ? なんやこれ??」
と、思ったら辞書に「henna:ヘンナ染料」とちゃんとのってた。
要するにお遊びタトゥーだが、一週間ぐらい消えない(ちなみにホンマもんの店もある)。
タトゥーにはいろんな模様・絵の他に「漢字」もレパートリーに入ってる。


・・・予想どおりや・・・こんなんじゃオッサンはビックリせえへんで・・・


漢字など見向きもせずに「スコーピオン(俺は蠍座なので)」を描いてもらう。
勝ち誇った気分で店を後にする。次に、うさんくさい露店でグラサンを購入。
アジア系の店員が言う・・・「イチ・ニー・サン・シー・ゴ ドル!」


・・・ありがち、ありがち・・・こんなんじゃオッサンはビックリせえへんで・・・


俺は「ベリーグー」と無表情で褒めながら5ドル紙幣を渡し、店を後にする。
・・・が、事はその直後に起こった。全く予想だにしていなかった事が・・・
隣の店の主人と俺の目が合う。と、その「セニョール」の手足がしなやかに動きだす。
そして、俺の目に映ったもの、それは・・・


         


・・・ 思いがけない美しい「命」に思わず立ちすくむ ・・・ さらに ・・・


       み〜や〜さ〜こ〜ですっ


・・・ 驚いて言葉も出ない ・・・ちなみに振り付けは完璧である。


この親父、どうやら日本人の友達がいて、教えてもらったようだ。
「コマネチ」「アイ〜ン」「だっふんだ」などの基本は当然マスターしている。
名前を聞いたら「ベジェ」と聞こえたがよくわからない(「B.J.」ではないかと思う)。
4月のMVPが Peter Chi なら、5月のMVPはこの「アミーゴ」で決まりであろう。


END